再発防止を願い、検証委員会の設置を求めることなどを記した生徒の母親の手記=10月11日、福井県福井市内の弁護士事務所

 2017年3月14日に福井県の池田町池田中学校の男子生徒が担任教諭らの厳しい指導・叱責を苦に自殺した事件で、生徒の遺族が10月11日、福井市内の弁護士事務所で会見を開き、町教委に再発防止策の実効性を確認する検証委員会の設置を今後求める考えを示した。

 会見した男子生徒の母親はこの日、教員の叱責を自殺の原因とした調査委員会の報告書が出された同年10月から2年を迎えるのに合わせ、自身の思いを便せん2枚につづった手記を公表した。その中で「(報告書の)提言や再発防止策が実施されているのかどうかすらも疑問を感じずにはいられません」「再発防止策や報告書の提言が確実に実施されているかを知るためにも、ぜひ検証委員会の設置を要望したい」などとした。

 取材に対して母親は「(町教委に)これまで何度も再発防止策を訴えてきたが伝わらず、説明も不透明。どんな対策をどう実行するか、監視するような委員会を求めたい」と説明。求める具体策として▽教師が不適切な指導をした場合の対応の明確化▽今回の事件の資料を現場の教員がいつでも確認できる体制―などを例に挙げた。

 母親ら遺族はこれまでに納得できる再発防止策が講じられていないとして、今年9月から弁護士を通じて町教委にこれまでの対応などの説明を求める交渉を始めているとした。

 手記ではこのほか「子どもたちの人権が守られ、息子が生きていくことができたと思えるような教育や学校になること。そのことを息子に報告できる日がくることを心から願っています」などと記した。

 一方、町教委は、男子生徒の自殺を受けて2019年2月に町の教育基本方針を定める「教育大綱」を改定。新たな大綱に基づき、教員が授業改善を考える「協同的学び研究会」や、教師の多忙化防止を図る「学校教育振興室」などを設置した。学校教育などについて教員と保護者、住民が意見を交換する「ま~るいテーブル会議」も開いている。

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