福井駅前電車通りに面する西武福井店の新館。駅前の客足減など影響が懸念される。右奥は本館=10月10日、福井県福井市中央1丁目

 「欲しい物が買えなくなり困る」「街の象徴が縮小するのは残念」。西武福井店の新館(福井県福井市)が2021年2月末に閉鎖されることが公表された10月10日、買い物客や商業関係者からは驚きと残念がる声が聞かれた。周辺では北陸新幹線延伸を見据えた再開発事業が進む中での店舗縮小に、客足の減少やまちづくりへの影響を懸念する関係者もいた。

 新館には、女性向けアパレル店やロフト、無印良品などが入り、福井県内で唯一の店舗も多い。週2回は新館を訪れるという女子高生は「化粧品や雑貨、本など欲しい物の店が集まっている。今使っているリップもここで買った。なくなると困る」とショックを受けた様子だった。

 中心市街地の象徴ともいえる百貨店の一部閉鎖。周辺に店を構える店主らからは客足が駅前から離れる不安感や、郊外や県外への買い物客の流出を懸念する声が上がった。

 福井駅前電車通りにアパレル店を構えるオーモリの大森伸夫社長は「高級ブランドを扱う百貨店が市街地にあることで、郊外のショッピングセンター(SC)との差別化を図ることができる。新館閉鎖は街全体にとって痛手。買い物客がいろんな店舗を見て回る楽しみも減り、京都や金沢に目を向けてしまわないか心配」と話した。

 周辺では複数の再開発計画が進行中で、これから工事が始まるエリアもある。福井駅前五商店街連合活性化協議会の加藤幹夫会長は「全国の西武、そごうで閉店するケースが相次ぎ心配していた。今後、JR福井駅西口の中央大通りと福井駅前電車通りに挟まれた『三角地帯』の再開発が始まれば客足が遠のく可能性がある。新館閉館が重なるとどうなるか心配だ」。本館と新館の間で営業する「フルーツのウメダ」の梅田敬男社長も「再開発と店舗撤退が同時に進むのはイメージが悪い」と顔をしかめた。

 福井市の第三セクターまちづくり福井の岩崎正夫社長は「新館はテナントが魅力で、ウインドーショッピングを楽しむ若者も多い。新幹線開業に向けて盛り上げようという矢先。客足の落ち込みが心配だ」と、まちづくりへの影響を懸念した。

 県内の商業関係者は「インターネット通販の伸長などで、高級ブランドの販売といった百貨店機能は全国的に必要とされなくなってきている。百貨店に限らず、どういった商業施設が求められているか、考える時期にきている」と指摘。中心市街地に勤務する女性(28)は「学生時代はよく西武に行ったけど、今は洋服などはネットや郊外のSCで買う」と話していた。

関連記事