2021年2月末で営業終了することになった西武福井店の新館。連絡通路で本館(左)とつながっている=10月10日、福井県福井市中央1丁目

 セブン&アイ・ホールディングスは10月10日、傘下のそごう・西武の全国5店舗を閉鎖、西武福井店の新館(福井県福井市中央1丁目)を2021年2月末に閉鎖し、本館のみで営業すると公表した。そごう・西武によると、新館閉鎖は近年の営業不振が理由で、黒字を保つ本館の活性化に注力して成長軌道への復帰を目指すとした。

 セブン&アイが同日発表したグループ各社のリストラ策の一環。23年春の北陸新幹線敦賀開業を見据え、JR福井駅周辺の再開発事業などが進む中、県都の商業の中核を担う百貨店の規模縮小は今後のまちづくりに大きな影響を与えそうだ。

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 新館にはロフト、紀伊國屋書店、無印良品、婦人服店など63店舗が入居しており、そごう・西武の広報担当者は「閉鎖時に撤退するかどうかは今後取引先と話し合い、決めていく」とした。閉鎖後の新館ビルの取り扱いに関しても、地権者や行政に申し入れたばかりで、協議はこれからとした。

 西武福井店の新館は旧パルビルを改装し、1999年9月にオープンした。地上6階、地下1階で営業面積約9千平方メートル。本館と連絡通路で結ぶ構造で、若者向けファッションやロフトなどの人気ブランドを一堂にそろえ、オープン時は中心市街地活性化の起爆剤として期待を集めた。

 ピーク時の1993年2月期の本館の売上高は255億3800万円に上ったが、直近5年間は右肩下がりで、2019年2月期は115億5500万円(うち新館約26億円)にまで減少。そごう・西武によると、本館は営業黒字を確保しているが、新館は15年2月期から赤字が続いていた。

 特に近年は新館1~2階で扱う若い女性向けのファッション領域「アップルシティ」の売上高が全国傾向と同様に厳しい状況だったという。広報担当者は「新幹線開業や再開発の状況も検証の議題に上がったが、郊外型店舗との競合など、多方面に検討した結果、新館で黒字を継続させることは困難と判断した」と述べた。

 閉鎖する店舗は西武大津(滋賀県)、西武岡崎(愛知県)、そごう徳島(徳島県)、そごう西神(兵庫県)、そごう川口(埼玉県)の各店。20年8月から21年2月までに閉鎖する。

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