飲食店経営、店員確保と教育の悩み【ゆるパブ】

今回コラムを書かせていただくことになりました、ゆるパブメンバー平等です。現在の仕事は、ベルベール(カフェ)・観葉植物のリース・経営アドバイザーの3つの肩書です。ゆるパブコラム「飲食店経営のむずかしさ」の第2回目は、「1.消費税増税、2.賃金アップ、3.スタッフ教育」についてです。

今回の消費税増税は、今までの増税と違い「軽減税率の導入」というややこしいものが付いてきます。新聞と酒類・外食を除く食品は8%に据え置かれます。低所得者の負担が重くならないように、「生活必需品である食品の税率を低くとどめる」ということで、一見すると優しさあふれる制度に見えますが、この制度が原因で小売と飲食業界は大混乱です。

しかし、消費税増税は飲食店にとってチャンスでもあります。長く飲食店経営をしているとどうしても難しい問題。「食材の突然の高騰」、そして食材が高騰してもそれを販売価格に転嫁できないことにより利益率の低下。販売価格に転嫁できない理由は「価格を上げたらお客様が来なくなるかもという不安」。よく消費税増税のタイミングで便乗値上げするのは、できるだけお客様にバレないようにするための原価率調整なので優しく見守ってあげてください。

今回の消費税増税は、そういった原価率調整にはありがたい話なのですが「軽減税率」の導入により飲食店は選択を迫られています。テイクアウトを導入する店舗が増えると思いますが、そうなってくるとレジの問題。POSレジって200万とかするんです。補助金使ってもぜんぜん足りない。POSレジ使わなければいいとかテイクアウトしなければいいと思うでしょうが、テイクアウト店舗が増えればそれだけ外食をする人が減ることが予想できます。そうなるとイートインのみの店舗は不安でしょうがない。POSを使わないとスタッフオペレーションや経営分析が大変になるという問題もあります。また、キャッシュレス化に関しても対応していかなければいけないのですが、単価の低い飲食店は手数料で売上減るし入金されるのが後になるのは本当につらい。でも導入しないと売上が減るかもという不安。また、スタッフや経営者が高齢化していると導入に混乱しかありません。

なにか政治で改革があると、とばっちり受けるのが不安だらけの飲食店です(笑)

「2.賃金アップ問題」

最近の求人、どれを見ても時給1000円以下を探す方が難しい時代です。1000円で募集しても全然応募が少ないんですけどね。なぜなら、とくに個人店にはマニュアルなどなく、個人の力量次第なところがあります。同じ時給なら楽なところを探しますよね。

また、例えばホールスタッフって体力勝負なところありますしね。それでいて笑顔を絶やさず丁寧な口調でお客様と接しなければいけない。今時は根性論など通じず嫌なことがあったらすぐ辞めちゃいます。

これも経験談ですが、完全売り手市場になっているため「時給上げてくれないと辞めます」と何度言われたことか・・・それも毎月。福井市に新店舗オープンしたばかりのころだったので、オープン時間から閉店時間まで満席で忙しすぎたということもありますが。

原価率だけではなく、人件費高騰も飲食店にとっては致命的なダメージです。その人件費まで販売価格に転嫁できないため、スタッフ人数を減らす→サービスの質が下がる→お客様が減るという負の循環を作り出します。

「3.スタッフ教育」

スタッフについて賃金の問題だけではありません。第1回で経費割合を書きましたが、「グラスやお持ち帰り用の容器などの消耗品費」ここに注目していただきたい。「グラス」が消耗品費というところです。お店を経営していて不思議な現象がおこります。お冷グラスを180個仕入れたとします。しかし、半年もたたないうちに90個に減ります。そこからは減りは緩やかになります。しかし、席数90席で運営していたので混み合ってくるとグラスは足りなくなります。仕方がないのでまた減った分を仕入れします。そこから半年程度で、もとの数(90)に戻ります。食器屋さんに「うちは儲かるからいいけど、グラスは消耗品じゃないよ」と言われたことがあります…。

スタッフ教育の難しさで、店舗にある備品が壊れようが汚れようが他人事なんです。へらへら笑いながら「グラス割っちゃいました」と言ってくるスタッフや何も言わずに捨ててしまうスタッフもいます。この破損、給与から引くことも弁償させることも労働基準法ではする必要がないとなっています。

素直に申し訳ない気持ちでグラスを割ったことを伝えてくれれば仕方ないと思えますが。
経営者とスタッフとの温度差はとても大きいものです。この温度差は埋まることはありません。経営者の常識とスタッフの常識はちがいます。

最後に、経営者が一番信じてはいけない言葉「オーナーは休んでいてください」。この言葉は、「自分たちがさぼりにくいので見てないでください」という言葉の裏返しです(笑)

現場に入っているオーナーは気を抜く暇もありません。逆も然り。スタッフから見て現場に入っているオーナーはスタッフの一人ととらえられています。だから、オーナーが休んでいると「あの人さぼってばっかり」と文句を言われます。

「賃金」「教育」対策は、マニュアルとハウスルールをしっかり作り、働きやすい環境づくりと意識改革をおこなうことによって解決できます。歴代のスタッフ達とのいざこざや思い出も飲食店経営の醍醐味なので、楽しみましょう。スタッフが時給で選ぶことなく、「このお店で働きたい」と思ってもらえる環境がサービスの質を上げ、求人効果も高まり時給や給与に見合った人材確保に繋がります。

次回は、「飲食店の主張」を書かせていただきます。

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