「ガソリン満タン」を呼び掛けるのぼり旗=福井県福井市大土呂町のあおいSSランド音楽堂前店

 福井県石油商業組合は、災害など非常時のために燃料を多めに備えておくことを勧める「満タン&灯油プラス1缶運動」を展開している。台風15号による千葉県内の大規模停電では給油装置などが動かせないため、多くのガソリンスタンド(GS)が営業停止を余儀なくされた。全国で自然災害が頻発しており、同組合は「自衛対策として日ごろから備えを」と呼び掛けている。

 東日本大震災や熊本地震、福井豪雪の発生時には、GSでの販売数量制限や燃料不足の不安から、住民がガソリンを買い求め長蛇の列をつくった。こうした事態を受け、全国石油商業組合連合会(全石連)と47都道府県の石油商業組合は2017年から「満タン&灯油プラス1缶運動」をスタート。防災の日の9月1日から翌年3月31日までを運動期間に設定している。

 「車の燃料メーターが半分程度になったら満タンにしておく」「灯油は1缶多めに備えておく」ことを推奨。福井県石油商業組合は加盟141社の200GSが運動に参加し、GS内にのぼり旗やポスターを掲示している。

 全石連によると、タンク容量や車の燃費にもよるが、満タンなら約400キロ移動でき、アイドリング状態が約40時間確保できる。車内ラジオからの情報収集やスマートフォンの充電が可能で、冷暖房が使えるプライベートスペースになる。灯油1缶(18リットル)あれば、7畳の部屋で暖かい状態を約85時間維持できるという。各家庭やドライバーが燃料備蓄を習慣化することで、災害時の渋滞抑制、迅速な復旧にもつながることが期待される。

 福井県石油商業組合によると、最近は少量をこまめに給油する利用者が少なくないという。満タンで車の燃費に影響が出ることを考慮した行動とみられるが、同組合の岡山昭彦副理事長は「運転方法や道路事情によっても燃費は影響を受ける。もしもの時の安心を高めるための『重さ』として理解し、運動に協力してほしい」と話している。

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