20年ほど前に「自律神経失調症」と診断され長年、安定剤を飲んできました。医師から「長期間飲んでいると物忘れがひどくなる」と指摘され、一度やめたところ、また寝付きが悪くなり、動悸や胸のむかつきも出るようになりました。現在、市販のサプリメントと安定剤を併用していますが、副作用も心配です。どんな薬をどう服用すればいいのでしょうか。(福井県嶺南地方、75歳女性)

【お答えします】楠川加津子・福井県永平寺町立在宅訪問診療所所長・福井大学特命地域診療所医師

 ■急に安定剤を中止し 離脱症状がでた可能性

 薬の副作用が心配ということですね。薬を見直すいい機会だと思います。薬は腎臓や肝臓を通じて体の外に出ますが、年齢とともに腎臓・肝臓の機能が下がってくることが多く、副作用もでやすくなります。

 また現在内服されている安定剤は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬という種類の薬のようです。それらの薬は長期服用していると、依存を形成します。依存が形成されると、急に薬を中断した場合に、離脱症状といって、不眠・不安・焦燥感・頭痛・吐気・動悸などがあらわれる特徴があります。

 今回の症状は離脱症状であった可能性があります。薬を中止していく場合には漸減(少しずつ減らす)したり、隔日に内服したりするなどの工夫が必要になってきますので、かかりつけ医によく相談することが必要です。離脱症状という副作用以外にも、ベンゾジアゼピン系の薬は、かかりつけの先生のご指摘のように、認知機能に影響を与えるという報告もありますし、気分をリラックスさせるだけではなく筋肉をリラックスさせるため、転倒のリスクも高くなります。特に閉経後の女性は骨粗しょう症である確率が高く、転倒による骨折のリスクも上がります。

 ■かかりつけ医に継続的に受診を

 上記のようにベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬はできればいずれ中止していただきたいのですが、では自律神経失調症については、どうすればよいのでしょうか?

 自律神経は体を最適な状態に保つために働いています。自律神経失調症は、文字通り自律神経のバランスが崩れた状態です。その原因を分析すれば、うつ病、不安障害という病気かもしれませんし、パーキンソン病などの神経疾患、または長期の糖尿病による合併症などもあるかもしれません。それらの病気があれば治療を受けていただき、また、それらの病気があるなしにかかわらず、規則正しい生活・適度な運動・ストレス解消できるような活動が自律神経のバランスを整えるために効果的と考えます。

 継続的に総合的に体や心の状態を診ていただけるかかりつけ医に、ぜひご相談ください。

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