福井県庁

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、森山氏が福祉行政や嶺南振興担当の福井県幹部にも贈答品を渡していたことが10月2日、分かった。森山氏が住んでいた京都府京都市内まで出向いて直接あいさつすることが一部で引き継がれていた。森山氏は47年にわたり県の客員人権研究員を務めており、県当局に対しても存在感を持っていたとみられる。

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 関電は同日公表した報告書で森山氏の人物像に関し「原子力事業本部が主催する幹部人権研修に県幹部を招聘(しょうへい)している。県幹部も森山氏を丁重に扱う一方、森山氏が県の職員を叱責(しっせき)するなど、県との関係も特別な者である」と説明。歴代の社内引き継ぎの中で伝達されていたとしている。

 贈答品を受け取っていたのは複数の部長級経験者。ある元幹部は「就任あいさつで京都を訪れた際に何かの詰め合わせ品をもらったが、常識の範囲だ。中元などの機会にお返しをした」と証言した。その上で、森山氏が県の人権行政に長く携わっていたため「困った時には先生(森山氏)にお世話にならないといけない。そういう存在だった」と影響力を認めた。

 別の元幹部も「京都に手土産を持ってあいさつに行き、その代わりに贈答品を受け取った」という。関係者によると、過去には10万円の商品券を受け取った幹部もいたという。

 2日の県議会予算決算特別委員会では、委員の一人が県と森山氏の関係をただした。これに対し健康福祉部長を務めたことがある櫻本宏副知事は「少なくとも私は(贈答品などは)受け取っていない」と答弁した。その後、取材に対し「過去にはあったと聞いているが、公務員の倫理として同額程度のもので返しているはず」とした。

 県によると、森山氏は1971~2018年に県客員人権研究員として人権行政のアドバイザー的役割を担っていた。09~18年には県人権施策推進審議会委員を務めた。

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