消費増税を控え、金の仏具など高額品も売れている=9月28日、福井県福井市の西武福井店

 消費税増税前の最後の週末となった9月28日、福井県内の小売店では今のうちに買っておきたいと考える消費者が多く見られ、軽減税率の対象とならない日用品や、高額品を買い求めていた。一方で、小売店からは「前回の増税時ほどではない」と駆け込みが限定的であることを嘆く声や「9月は好調だが、10月以降はどうなるか」と反動減を懸念する声が聞かれ、間近に迫った増税への不安感も増している。

 「子どもがいて消費が早いので、安いうちに多く買っておきたい」。スーパーセンターのPLANT-3清水店(福井市)を訪れた鯖江市の会社員(30)は、ティッシュやキッチンペーパーをまとめ買いした。同店では、ティッシュやトイレットペーパー、大容量の洗剤、ビールなどの売れ行きが良く、9月の日用品の売り上げは前年比約4割増。堀井義史店長は「商品の補充を繰り返しており、忙しい」と慌ただしく店内を回っていた。

 オートバックス福井北店(福井市)では、タイヤの売り上げ(数量ベース)が前年同月比約200%となっている。タイヤ購入者の7~8割はスタッドレスで、大石橋誠店長は「前もって買われるお客さんが多い。新車の納車を控え、タイヤだけ先に購入する方もいる」と説明した。4万円台のタイヤを品定めしていた坂井市の女子大学生(21)は「学生にとって数万円の買い物は大きい。9月中に購入したい」と話していた。

 百貨店も好調だ。衣料や化粧品のほか、高額品に注目が集まっている。金の仏具や置物を展示販売する「大黄金展」を開催中の西武福井店(福井市)では、100万~500万円のおりんが1日2、3個売れている。担当者は「数百万円の商品になると、(増税前と後の)2%の差は響く。この機会に買っておきたいというお客さんが多い」とみている。

 一方で、ガソリンスタンドは駆け込み給油が少ないようだ。5%から8%に引き上げられた2014年は、地球温暖化対策の環境税(石油石炭税)との“ダブル増税”だったため、直前の給油が目立ったが、坂井市のあるGSの従業員は「通常の週末と変わらない」と嘆いた。

 10月以降の消費の冷え込みを懸念する声も上がる。ある量販店の担当者は「前回の増税直後も売り上げの落ち込みは大きかった。今回はキャッシュレス決済のポイント還元などの対策があるが、どれだけ効果があるだろうか」と表情を曇らせた。西武福井店の担当者も厳しくなるとの見通しを示し、「さまざまなセールをはじめ、来店を促す取り組みを強化していくしかない」と話している。

関連記事