坂井市立三国病院=福井県坂井市三国町中央1丁目

 厚生労働省は9月26日、全国1455の公立病院や日赤などの公的病院のうち「診療実績が乏しい」と判断した424の病院名を初めて公表した。福井県内では、厚労省が公立、公的病院14施設の治療実績を検証し▽あわら市の国立病院機構あわら病院▽坂井市立三国病院▽越前町の織田病院▽高浜町の若狭高浜病院―の4施設が対象となった。

⇒再編対象の4病院「基準おかしい」

 高齢化で膨張する医療費抑制のため、競合地域にある病院との再編・統合を促す必要があるとして、異例の対応に踏み切った。10月にも対象病院に再編・統合の本格的な検討を要請し、来年9月までに結論を出してもらう考え。強制力はないが、身近な病院がなくなるとの不安から地元の首長や住民の反発が予想される。

 同日の会合で公表した。対象病院は全体の29・1%に当たり、ベッド数が比較的少ない病院が多かった。都道府県別では、新潟(53・7%)、北海道(48・6%)、宮城(47・5%)、山口(46・7%)、岡山(43・3%)の順で割合が高かった。対象の数は北海道の54が最多、沖縄は唯一ゼロだった。

 厚労省は2017年度のデータを基に、公立や公的病院のうち、重症患者向けの「高度急性期」、一般的な手術をする「急性期」に対応できる1455病院を調査。がんや救急医療といった9項目の診療実績と、競合する病院が「車で20分以内」の場所にないかを分析し、病院名公表の必要性を判断した。

 対象となる病院には、廃止や一部の診療科を他の病院に移すことなどを検討してもらう。

 医療費は団塊世代全員が75歳以上となる25年に急増する。このため厚労省は全国で124万6千床(18年)ある病院のベッド数を119万1千床まで減らす目標を掲げる。

 現在は、看護師を手厚く配置し医療費がかかる「高度急性期」や「急性期」のベッド数が多い一方、高齢者にニーズの高いリハビリ向けは不足している。高齢化に対応するため、ベッド数を単に削減するだけでなく、リハビリ向けを増やす必要がある。

 病院の再編・統合を巡っては、各都道府県が25年に必要なベッド数などを定めた「地域医療構想」を策定。全国を339の区域に分け、自治体や医療関係者らが協議しているが、地元の住民や首長の多くは慎重姿勢を維持しており、議論は難航している。厚労省は実績の乏しい病院名を公表することで、議論の活性化につなげたいとしている。

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