最低賃金時給1000円に対する意見(業種別)

 国が掲げる最低賃金の引き上げ目標「時給千円」について、福井県内中小企業の54・2%が「最低賃金千円でもよい」と考えていることが、福井商工会議所の調査で分かった。2018年度は9割の企業が採用募集を行った一方で、予定数を「確保できた」とする企業の割合は新卒・中途の正社員で5割前後、非正規社員採用では3割にとどまっており、人材確保に苦悩する企業像が浮かび上がった。

 時給千円への引き上げに「賛成」と答えた企業は情報関連(100%)、建設業(70・6%)、卸売業(61・7%)が多かった。「反対」とする割合が過半数だったのは製造業(51・9%)と飲食、宿泊を含むサービス業(60・9%)で、運輸業は賛否同数だった。同会議所の担当者は「パートや時間給の多い業種で反対の割合が高い傾向はあるが、人材確保が難しく、人件費を増やそうと考える企業が多くなっている」とみる。

 「反対」と回答した企業が、引き上げ可能とした時給金額の平均は895円(福井県は10月4日から829円)だった。

 19年3月入社の採用状況を聞いたところ、正社員の新卒採用は61・3%、中途採用は54・5%、非正規採用は15・4%の企業が実施。募集しなかったのは8・6%だった。

 予定数を「確保できた」企業の割合は、新卒で44・7%、中途50・3%、非正規は31・1%にとどまった。特に運輸業(新卒13・3%、中途37・5%)と建設業(新卒24・1%、中途38・1%)が苦戦した。

 全体の86・4%が採用面で課題を抱えており、多い順に「応募者数の少なさ」「会社知名度の低さ」「賃金で有利な条件を提示できない」―などを挙げた。

 採用活動で行政に求める施策としては、第2新卒(卒業後3年以内に離職)や中途採用のための紹介機能強化と情報提供を求める声が多かった。県外出身学生へのPRの機会提供や多様なインターンシップへの支援など、学生へのアプローチの後押しを求める意見もあった。

 国が成長戦略で提唱する副業・兼業に関しては、15・3%が「既に認めている」と回答。「今後は認めるつもり」の20・3%を含めると、全体の3分の1が容認姿勢を示した。「認めない」とする企業は64・4%で、建設業(82・8%)、小売業(73・1%)、製造業(72・7%)が高かった。

 調査は7月19日~8月2日、会員企業1千社を対象に行った。298社(29・8%)から回答を得た。

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