【越山若水】過去4年で2人。米スタンフォード大のアメリカンフットボール部で、ドラフト指名を受けた部員数という。同部でコーチを務める河田剛さんが昨年の著書で紹介した数字である▼ただし指名したのはアメフットのプロリーグ、NFLではなく野球の大リーグである。米国は小学校から大学まで、冬はバスケット、春は野球などと競技ごとのシーズンがある。子どもがいくつもの競技に親しむ「マルチスポーツ」が根付いているからこその事例だ▼一つに打ち込むのが普通の日本的感覚だと、競技力が維持されるのか疑問が湧くが、河田さんによれば鍵はコーチの存在。社会的評価が高くビジネスが成立、トップ級の大学アメフットコーチは年俸10億円を稼ぐとの話も▼どの競技を選ぶか本人の意思が尊重され、コーチや医療スタッフ、トレーニング指導など充実のサポート体制。日本のスポーツ界にも道具を大切にする文化をはじめ良いところはあると言いたいが、やはり大きな差がある▼ただ、福井でも注目したい動きが出てきた。県スポーツ協会が企画した子ども対象の能力測定会である。ジャンプ力やバランス力などを計測、向いている競技を助言。体操をする子が実はサッカー向き、との判定もあった。この試み、子どもたちの選択の幅を広げる第一歩になるといい。希望をかなえる環境を、時間はかかっても整えたい。

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