老人介護施設「和が家」で飼われているヤギ2頭。利用者に元気を与える存在になっている=福井県大野市中据

 福井県大野市中据の介護施設が県畜産試験場からヤギ2頭を借り受け、飼育を始めて3カ月近く。室内に閉じこもりがちだったお年寄りや障害者らが自ら外に出てエサをやるようになったり同施設での過ごし方が変化。「元気いっぱいに愛嬌(あいきょう)を振りまく姿に力がもらえる」と笑顔を見せている。

 この施設はデイサービスや介護訪問を行う小規模多機能型居宅介護事業所「和が家」。2015年から同試験場が小学校や市民団体にヤギを貸し出しているのを知り、利用者の癒やしや地域交流のきっかけになればと受け入れた。

 7月初めから飼育を始めた2頭はメスの2歳と4歳。施設の庭に設置した飼育小屋の周辺には建築業者の協力で柵が整備され、農家がワラや枯れ草を提供してくれるなど地域ぐるみで世話をしている。

 施設の坪田千鶴理事長によると、家畜として飼育されていたヤギはお年寄りにとってなじみ深い存在で、犬や猫を怖がる人もヤギだけは嫌がらないという。

 利用者の女性(80)は「動物が好きなので、2頭が来てくれたことはうれしい。本当にかわいい」とじゃれ合う姿に目を細める。室内で過ごしていたお年寄りがエサをやりに自分から外に出たり、触れ合いを通じて施設内に笑い声が響くようになったという。坪田理事長は「利用者14人の雰囲気が格段に明るくなった。動物の持つ力は本当にすごい。施設の職員の一員として2頭にはこれからも活躍してほしい」と話している。

 11月末には試験場に返すが、可能であれば来年も迎え入れたい考えだ。

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