2019年地価調査福井県市町別変動率

 9月19日発表された2019年7月1日時点の基準地価は、地方圏の商業地が28年ぶりに上昇に転じる中、福井県の商業地は北陸新幹線整備に伴う駅前再開発事業の進捗状況により地域間格差が見られ、全体として下落が継続した。ただ全用途の平均変動率は2年ぶりに下落幅が縮小、上昇地点、横ばい地点とも前年より増加し、県は「県内の景気動向に一時の勢いはないように見えるが、北陸新幹線の延伸が大きな要因になり、今後も地価を押し上げるだろう」としている。

⇒福井県内の地価調査結果

 商業地では前年より3地点多い10地点で上昇した。そのうちの8地点が福井市。中央1丁目、大手2丁目などJR福井駅周辺が半数を占める。敦賀市も白銀町、清水町1丁目といずれもJR敦賀駅周辺となり、新幹線整備に伴う駅前の再開発事業などが全体を押し上げた。

 ほかは主要幹線道路沿いの需要が高い地点で、福井市西方2丁目が選定後初めて上昇し、同市学園2丁目は27年ぶりに上昇に転じた。

 同様に新幹線の駅舎が整備される、あわら、越前両市は住宅地で下げ止まった地点はあるが、全体的に下落が続いた。

 県地価調査代表幹事で不動産鑑定士の寺口満氏は「JR芦原温泉駅前の再開発はこれからで、南越駅は工事中とあって、まだ効果は表れていない」とした。

 石川県金沢市、富山県富山市の平均は、住宅・商業地とも新幹線開業後も上昇傾向を維持している。寺口氏は「新幹線は100年に一度の大事業。県内景気の先行きは不透明だが、現状と変わらなければ新幹線効果が続くだろう」とした。

 住宅地は前年より5地点多い15地点で上昇した。福井市灯明寺2丁目が3・5%(昨年0・9%)と最も高い上昇率を示したほか、同市内で11地点がプラスとなった。このほか鯖江市水落町1丁目は選定後初、住宅団地の売れ行きが好調な越前町気比庄は20年ぶりに上昇した。いずれも近くに小中学校や公園、病院、商業施設があり、主要幹線道路も近いなど利便性が高い地域だった。

 ■基準地価 国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点で調べる基準地1平方メートル当たりの価格。土地取引の指標となる。2019年の調査対象は全国2万1540地点だが、このうち12地点は東京電力福島第1原発事故の影響で調査を休止している。国土交通省が毎年1月1日時点で調べる公示地価に比べ、都市計画区域外の調査地点が多いのが特徴。

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