磯崎新さんが設計した住宅S邸。福井県勝山市は土地を取得する方針を示した=9月19日、福井県勝山市元町1丁目

 福井県勝山市は9月19日、「建築界のノーベル賞」といわれる米プリツカー賞に輝いた建築家の磯崎新さんが設計した市役所敷地に隣接するS邸(同市元町1丁目)の土地を取得する方針を明らかにした。

 建築界の巨匠が手掛けた建物を文化的な財産として有効活用するのが目的。建物は、市もしくは市観光まちづくり会社に無償で譲渡される見通し。

 同日の市会総務文教厚生委員会で市幹部が説明した。S邸の所有者が財産処分を検討する中で、市に土地と建物の譲渡を申し出た。

 土地は分筆した場合は約270平方メートルで約600万円、しない場合はL字形の約420平方メートルで800万円以上になるとした。市幹部は「将来的には市役所の敷地として駐車場増設にも活用できる」と取得したい理由を付け加え、「しかるべきときに予算措置したい」と述べた。

 市によると、建物は1986年に完成し、コンクリート打ちっ放しの2階建てで床面積142平方メートル。市中心部で四角い形とポストモダンの建築様式が異彩を放っている。

 市観光まちづくり会社が活用する方向で調整しており、市幹部は「(民泊営業ができる)簡易宿所として活用できないかとの意向を持っている」と話した。市議からは「利用価値と、将来的に解体する場合の費用も示してほしい」との意見や、市内の公共施設管理、財政状況を踏まえて対応すべきだとの声が出た。

 同市にはS邸の近くに磯崎さんが手掛けた住宅「中上邸イソザキホール」もある。

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