作業員9人が救急搬送された高浜原発敷地内のトンネル周辺=9月19日午後5時50分ごろ、福井県高浜町田ノ浦

 9月19日午後3時40分ごろ、福井県高浜町田ノ浦の関西電力高浜原発敷地内の作業用トンネルで、内壁補強の溶接工事を行っていた協力会社の作業員2人が倒れ、7人が気分が悪くなったと訴え、10~60代の計9人が救急搬送された。小浜市、会社員男性(19)が、一酸化炭素中毒と診断され重症。男性を含む8人が入院しているが、全員意識はあり、命に別条はないという。

 関電によると、トンネルは高浜1、2号機用のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)建設用。補強工事は11日から始まり、18日から溶接作業を行っていた。

 当時トンネル内で40人が作業しており、事故が起きた最奥部で男性10人が溶接作業に当たっていた。このうち2人が倒れ、少なくとも1人が一時意識を失い、ほかの作業員も頭痛や吐き気を訴えたため、同日午後3時50分ごろ、「一酸化炭素中毒のような症状で、トンネル内で作業員が倒れた」と119番した。

 男性はドクターヘリで滋賀県の病院に運ばれ集中治療室で治療中。ほかの8人は小浜市の杉田玄白記念公立小浜病院に搬送され、このうち3人が集中治療室に入っている。

 現場には救急車など消防車両9台が駆け付け、物々しい雰囲気に包まれた。当時、トンネル内で別に土木工事を行っていた30人は、いずれも体調に問題はないという。小浜署と若狭消防本部が、トンネル内の排気状況や原因を調べている。

 特重施設は東京電力福島第1原発事故などを受け、原子力規制委員会が定めた新規制基準で設置が義務付けられている。

 高浜1、2号機は原則40年の運転期間延長が認められ、一連の安全対策工事と並行して、特重施設の建設が進んでいる。特重施設の設置期限は2021年6月だが、工事が遅れており、期限を約2年半超過する見通し。期限内に完成しなければ、運転できない。

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