炉心からの燃料取り出し作業を開始するスイッチを押す作業員=9月17日、福井県敦賀市のもんじゅ

 9月17日に始まった福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅの炉心からの燃料取り出し作業は、日本原子力研究開発機構が「本格的な燃料取り出しの段階」と位置付ける。トラブル対応などに伴う工程変更で当初の予定から約2カ月遅れ、ようやく開始にこぎ着けた。ただ9年ぶりとなる作業には操作員の経験不足などの懸念もある。2022年末までに全ての取り出し完了という工程がある中、緊張を強いられる作業が続く。

 もんじゅでは廃炉作業の第1段階として、昨年8月に炉外燃料貯蔵槽から水プールへの燃料移送を開始したが機器トラブルが相次ぎ、18年度中の目標だった100体に届かずに86体で終了。トラブル対応などのため、炉心からの取り出しが遅れていた。

 ただ、炉心からの取り出しは難易度が高まる。燃料同士が互いに支え合っているためだ。作業開始を前に、清水英男県安全環境部長はもんじゅを所管する文部科学省幹部との面談で、昨年の燃料貯蔵槽から水プールへの移送とは作業手順などが異なる点を指摘。「いま一度、機器の状態や手順を再確認し、緊張感を持って万全の体制で臨むよう、機構をしっかり指導してほしい」とくぎを刺した。

 作業は2010年以来で、同年8月に燃料を運ぶ装置が炉内に落下する事故もあった。これまでの9年で職員の入れ替わりが進み、過去に作業経験のある操作員は少ない。機構によると、作業に携わる操作員や設備管理の担当者ら計46人のうち、過去に経験があるのは操作員5人ほどという。

 敦賀市の今大地晴美市議会議員は「未経験者が多く、機器も久しぶりに使用するので、今後何が起こるか分からない」と懸念を示す。

 機構関係者は「模擬訓練を行い、十分習熟したと考えている。不具合が起きても立ち止まって対応する。1日3~4体の取り出しにはこだわらない」と話した。

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