福井県越前町宿の空き家。町内有志が10月にイベントを行う

 福井県越前町は本年度、5年ぶりに空き家の実態調査に取り組んでいる。2014年度の調査では町内の空き家は700軒超だったが、人口減少や高齢化が進み、さらに増える可能性がある。町は老朽化が進む空き家を撤去し、空いた土地を集落が管理する「ポケットパーク事業」という先進的な取り組みも行ってきたが、維持管理を担う集落の負担が大きいこともあり、近年は頭打ちになっている。空き家対策が転換期を迎える中、住民による新たな動きも出てきた。

 ■注目集めたが…

 越前町の空き家の特徴は、半数超が海沿いの越前地区に集中している点だ。同地区は海岸に山間部が迫り、急斜面の狭い土地に住宅が密集している。道路幅は非常に狭く、空き家となっている物件の大半は自家用車の駐車スペースもない。不便さから、町定住促進課によると、転居に伴う人口減少が町内4地区で最も多いという。

 ポケットパーク事業は、空き家対策の特別措置法が15年に制定される前の07年から行われている。当初は町が200万円を補助し、集落が空き家の解体や跡地の活用、管理に当たった。集落の負担を軽減しようと、現在は町が所有者から土地と建物の寄付を受け、空き家を撤去した後、跡地を集落が管理する方法を採っている。

 跡地の活用方法は集落で決めており、公園などに使われている。所有者に返却したものを含めると延べ29件の実績を上げ、全国から注目を集めた。ただ、草刈りなど跡地管理は集落にとって負担が大きく、件数は伸び悩んでいる。

関連記事