「地域防災防犯講座」の参加者に語り掛ける福井県永平寺町の河合永充町長(右)=2019年6月、同町

 福井県永平寺町が「防災のまちづくり」に力を入れている。河合永充町長(46)が自ら熱弁を振るう講座や自主防災組織の強化、災害時に無事を確認するための旗の全戸配布など多岐にわたる。河合町長は、昨年2月の記録的大雪における町民の対応などに一定の成果を感じつつも「防災にやりすぎはない」と話す。

 ⇒永平寺町の最近5年間の取り組み

 「行政は万能ではありません。皆さんの命を、行政に委ねないでください」。今年6月、永平寺町栃原の集会所で開かれた「地域防災防犯講座」の冒頭、河合町長は政府の中央防災会議が昨年7月の西日本豪雨を踏まえ避難対策の報告書に盛り込んだ文書「大事な命が失われる前に」を読み上げた。

 続けて「(最近では)毎年どこかで水害や地震が起きて、昨年福井では大雪。結果が出てきたんです。行政では限界があると。皆さん一人一人に防災に対する思い、日頃から備える意識を持っていただかなければと思います」。集まった90人を前に約1時間、福井弁を多く交えた分かりやすい言葉で熱弁した。町の取り組みやその狙い、個人レベルの備えの提案など内容は幅広い分野に及んだ。

 町長が語り手となる講座は2016年6月にスタートし、3年余りで計67回。区ごとの開催が最も多く、町内89区のうち45区で実施した。河合町長は、住民が災害を「自分事」にするためには「何度も伝えるしかない」と考えて講座を続けているという。最近では防災士や講座を聞いた人が周りの人に広めてくれるようになったとし、手応えを感じている。

 「自主防災組織が主催するようになった避難訓練や、バーベキューの時にちょっと防災を意識する。日常が災害時につながっていると、ひっで(すごく)よくなると思います」。地域の防災に対する意識の高まりを期待している。

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