【論説】2車線の対面通行で暫定運用している舞鶴若狭自動車道が、県内区間の半分以上で4車線化される見通しとなった。舞若道は原発事故時の避難路としての役割も担うため、高速道路としての機能と安全性が高まるのは意義深い。“命の道”にもなる動脈として早期の完成を望みたい。

 舞若道は2014年7月、最後の未供用区間だった小浜インターチェンジ(IC)―敦賀間がつながり全線開通。嶺南と嶺北を貫く高速道路網が実現した。しかし敦賀-舞鶴東間でIC付近などを除き、ほとんどが対面通行区間だ。

 対面通行は中央分離帯のある4車線に比べて死亡事故の発生率が高い上、大雪や土砂崩れといった災害で通行止めになりやすい。昨夏の西日本豪雨では、高速道路で被災した4車線区間のうち2車線が確保できたケースがあり、これによりネットワークの寸断が回避されたという。

 こうした現状を踏まえ国土交通省は重要インフラ緊急点検を実施。3月に全国16区間(延長約85キロ)を拡幅候補に選定した。舞若道は小浜西―舞鶴東間(約25キロ)のうち約12キロが拡幅されることになった。事業費は約630億円。財源は低利の財政投融資を活用する見通しだ。

 国交省はこの拡幅事業の一環として、優先的に整備する区間について全国の122区間約880キロを4車線に広げる方針を決めた。渋滞や死傷事故の頻度、工事以外の原因による年間通行止め時間、ネットワーク寸断の可能性などを考慮し選んだ。

 県内では、舞若道の若狭三方-三方五湖スマートIC間(約2キロ)、若狭上中-舞鶴東間(3月の拡幅決定区間を含む約46キロ)の対面通行区間が選ばれた。これにより敦賀-舞鶴東間(約75キロ)の半分以上が4車線になる見通しとなった。

 気になるのは完成時期だ。優先整備されることになった舞若道の約48キロも全国同様、10~15年かけて行われる。さらに財源の見通しが付いていない点も最大の課題になろう。

 舞若道(県内区間)の1日当たり平均交通量は今年、開通1年目を1200台上回る7700台と順調に推移。物流、観光、医療面でのメリットも大きいことは明らかだ。

 今後は県内で4車線化に選ばれなかった区間の事業化も課題になる。財源を捻出し、早期着工と完成時期の前倒しが求められることになる。防災・減災が目的の道路拡幅は、早ければ早いに越したことはない。福井県も「そんなに悠長にしていられない。少しでも早く4車線化を」との認識だ。国への要望を一層強めて、早期完成を目指す必要がある。

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