水が抜かれた殿様清水で清掃活動を行う参加者=9月15日、福井県大野市右近次郎

 名水のまち大野の豊かな水環境を維持しようと、大野青年会議所(JC)は9月15日、福井県大野市右近次郎のとねき沢公園内にある池「殿様清水」で清掃活動を行った。水を抜いた池で地域住民や子どもらボランティア約100人が作業にあたり、大野の清らかな水環境や、豊かな生態系が続いていくことを願いながら川底のごみを取り除いた。

 殿様清水は約100平方メートルで、深さ約1メートル50センチ。地域の人によると約40年前はきれいな水があふれ、子どもたちが泳いだり、市の魚であるイトヨが生息したりしていた。その後区画整理が行われたことで周辺に住宅が建ち、ごみや泥が増えたという。

 今回、同JCが市民に大野の豊かな水資源を見つめ直すきっかけにしてもらおうと「大野版!池の水ぜんぶ抜いてみた」と題して企画。同池で水を抜いて清掃活動が行われるのは初めてで、地元の建設業者の手を借り、14日の昼からポンプを使用して水をくみ上げた。

 この日は、約3時間にわたり池の底にたまった空き缶やペットボトル、落ち葉などを集めて外に運び出した。参加者は網や手を使い、全身泥まみれになりながら懸命に作業を続けていた。

 清掃と並行し、池にいたクロメダカやヨシノボリ、ドジョウなどの生き物を一時的に水槽に移す“救出活動”も行った。絶滅危惧種のニホンイシガメも見つかり、子どもたちは「かわいい」と歓声を上げながら優しく触れ合っていた。

 池の近くに住む春日野区の大谷誠治区長は「こんなに多くの方にこのような活動をしてもらえてありがたい。きれいな状態を保つため、清掃活動などに努めていきたい」と笑顔を見せていた。

 企画発案者の林卓也さん(38)は「活動は地域や親子の交流の場にもなったと思う。市民一人一人が、大野の宝である水に誇りを持ってもらえたら」と話していた。

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