「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」に輝いた越前市役所の波多野さん=福井県越前市内

 日本ボルガラー協会の代表「ボルガチョフ」として、福井県越前市のB級グルメ「ボルガライス」の知名度を全国級に押し上げた越前市役所職員の波多野翼さん(34)が、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2019」を受賞した。オフの時間にまるで“部活動”を楽しむように、派手な法被姿で官民問わずに仲間を巻き込んできた波多野さん。「役場の外に出て多くの人と関わったことが、新しい行政サービスを考える上でも役立っている」と喜びをかみしめている。

 庁内外の仲間と協会を立ち上げたのは入庁翌年の2010年春。オムライスにトンカツを載せたボルガライスが食べられる飲食店を紹介するホームページを立ち上げると、協賛金を集めて同市出身の劇画家、池上遼一さんにポスター制作を直談判。ポスターがマスコミの注目を集めると、ボルガライスを注文するお客が増え始め、最初は市内数店だった提供店が現在は約20店にまで増えている。

 やがて大手コンビニが次々とボルガ弁当を販売。市内の学校給食メニューにもなり、ボルガライスは地域活性化の主役の一つにまで成長した。

 今年3年目の同アワードはネットメディア事業の「ホルグ」(横浜市)が運営。全国の地方公務員からの推薦を基に、過去の受賞者らが審査して決定する。今年は昨年の約2倍となる123通の推薦の中から13人が選ばれた。北陸3県での受賞は波多野さんだけ。県内公務員の受賞は、昨年の岩田早希代さん(元県広報課)に続き2年連続となった。

 波多野さんは現在、社会福祉課に勤務。昨年は生活困窮者の早期発見を目的に、農家から募った余剰米を困窮者宅に無料で郵送する「わかちあいプロジェクト」を立ち上げて成果を上げた。社協、JA、郵便局などつなぐ仕組みづくりには、ボルガライスで培った「巻き込み力」が生きたという。このプロジェクトも推薦理由となった。

 波多野さんは「上司の理解で出る杭(くい)が打たれず、評価される職場の風土になっている。そうした空気を感じ取り、挑戦する後輩もすごく増えた。役場の中で申請を受けているだけでは、変化する社会が求める行政サービスは生まれない」と話す。ボルガライスへの愛情も衰え知らず。次の目標は「ボルガライスの日」制定。

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