【論説】福井県民が一体となって成功させた福井国体から間もなく1年。今月下旬、茨城国体が開幕を迎える。福井国体では、福井県が男女総合優勝である天皇杯を獲得した。茨城ではこの好成績にいかに肉薄するかが注目される。

 順位にこだわるばかりが国体ではないものの、好成績は県民に希望を与え、県内のスポーツ振興に大いに寄与するはずだ。

 ■10位台前半に照準■

 開催県は各競技で予選を免除されることもあり、天皇杯を獲得する例が多い。しかし2016年岩手国体、17年愛媛国体は東京が制覇した。続く18年の福井国体では、県内関係者が危機感を抱く中、競技力強化に力を結集。天皇杯2896点を実現し、2位の東京に650点差をつけて完勝した。

 県スポーツ協会は、茨城国体での天皇杯10位台前半を目標に据える。今月初めまで各競技が繰り広げられた北信越国体の成績を見ると、この目標はかなり有望だ。

 北信越国体で福井県は28競技74種目で本国体への出場権を獲得した。近年の福井の出場種目と天皇杯順位は、岩手国体が67種目で18位、愛媛国体が78種目で7位。ここから単純に予想すれば、10位台前半は十分可能といえる。

 点数が個人種目の8倍となるソフトボール、ホッケーなどでは8種目(愛媛国体は10種目)に出場、5倍競技のハンドボール、ボート・かじ付きクオドルプルなどでも15種目(同16種目)に出場と、2年前に比べ遜色ない。北信越国体の優勝種目は38あり、2年前の49には及ばないが、3年前の34は上回った。

 ■「昨年以上」の競技も■

 もちろん、出場種目数のみから本番の成績を論じられるものではない。

 それでも各競技では、昨年同様か、それ以上の力を蓄えているようだ。福井国体で東京を破り優勝したサッカー成年男子は昨年以上の戦力といわれる。2連覇したホッケーの成年男子も順調に強化が進む。同少年男子は今夏のインターハイで5年ぶりに優勝するなど成長著しい。

 福井県は全国に比べ人口が少なく、実業団チームもわずか。強い選手を招聘(しょうへい)したり、強化したりするのは容易ではない。それだけに福井国体で来福し県内に残ってくれた選手、指導者たちは大きな財産だ。

 選手の県内定着は、1巡目福井国体より2巡目の方が多いという。県スポーツ協会に所属する選手には東京五輪を狙う選手もおり、国体でも好成績が期待される。

 ■スポーツ熱じわり■

 福井国体の遺産をどう継承していくかが課題となる中、関係者は、子どもたちのスポーツ熱の高まりを肌で感じているという。例えば県スポーツ協会が企画した小中学生向けのスポーツ能力測定会には定員300人をはるかに超える希望者があり、協会関係者を驚かせた。測定会は体力を測定し、適した競技を選ぶもので、スポーツに目を向けている様子がうかがえる。

 スポーツは県民の健康増進や生きがいづくりに役立つ一方、国体を軸とした競技振興も大切な要素だ。国際大会はもちろん、国体を含めた国内の重要大会で地元選手が活躍すれば、注目が集まり競技人口の拡大や優秀選手の招聘が期待できる。

 強化には資金面などの課題も多く横たわる。スポーツ界だけでなく福井県が一体となった創意工夫を積み重ねたい。

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