マイナンバーカードを使った本の貸し出し手順を学ぶ市町職員ら=9月10日、福井県の福井市立みどり図書館

 個人番号が記載されたマイナンバーカードを福井県や県内市町の公立図書館の共通カードとして活用しようと、県と17市町でつくるチーム会議の初会合が9月10日、福井市立みどり図書館で開かれた。意見交換では「住民基本台帳カードで実施した際も利用者が少なかった。導入のメリットを感じない」「貸し出し作業が煩雑になる」など、マイナンバーカードの活用に否定的な意見が大勢を占めた。

 県と市町の行政サービス一元化の推進に向け、マイナンバーカードを共通の図書館カードとして利用できるようにする施策は、杉本達治知事が公約に掲げた。県が8月に策定した行財政改革アクションプランにも盛り込まれている。

 チーム会議初会合には県と14市町の担当者ら約30人が出席した。貸し出しカウンターで、マイナンバーカードを使った本の貸し出しを試験的に行っている福井市の担当者が操作手順などを説明した。

 意見交換では、県の担当者がマイナンバー制度の現状を話し、「普及には図書館など利活用できる場面を増やすことが有効」と強調した。これに対し、福井市の担当者は「今年2月の試験導入以降9件の利用あったが、常時使っている人は見当たらない」と述べた。操作を見学した複数の市町からも「貸し出し作業が煩雑」との声が上がった。

 各市町の図書館は、利用者を在住者などに限定すると規則で定めている。マイナンバーカードを活用すると、この規則を変更する必要がある。勝山、敦賀市の担当者は「図書館は市民の税金で運営している。他市町の住民に利用者を広げると、市民が読みたい本を借りることができなくなる恐れがある」と疑問を呈した。

 県地域戦略部の小林弥生副部長は「マイナンバーカードを活用し、県民がどこでも借りることができるよう、マイナス面だけでなく前向きに検討していきたい」と要請した。

 政府は国・地方の全ての公務員に、2019年度末までのマイナンバーカード取得を“義務化”した。21年3月に健康保険証としての本格運用を始める予定。県市町協働課によると、県内のマイナンバーカード交付率は7月末現在、9・06%で、全国平均13・8%を下回っている。

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