観衆の見守る中、越前和紙の大ふすまに女性と竜を描き上げた西元祐貴さんのライブペインティング=9月7日、福井県越前市の紙の文化博物館

 福井県越前市の紙の文化博物館で開かれている大ふすま展で9月7日、墨絵アーティストで世界中で活躍する西元祐貴さん(31)によるライブペインティングが行われた。真っ白な越前和紙の大判ふすま2枚に墨で女性と竜が描き出され、見守っていた観客から感嘆のため息が上がった。

 描かれたのは、丸みを帯びた後ろ姿の女性と、2枚にまたがり躍動感あふれる力強い竜の姿。竜の鋭い爪は女性を守るように位置している。西元さんは「女性は越前和紙の紙祖の川上御前を、竜は川上御前を守る、すなわち伝統を守る和紙職人をイメージした」とモチーフを説明。「パフォーマンスより、見てくださった皆さんへ感謝の思いを大事にして描いた」と話した。

 西元さんは鹿児島県出身で、福井県に活動拠点を持ち、世界中でライブペインティングを行うなど広く活躍する墨絵アーティスト。スポーツ選手やミュージシャンなど斬新なモチーフを躍動感あるタッチで描くことで注目を集めている。

 この日のライブペインティングで西元さんは、大判のふすま2枚に向かって右から、柔らかな曲線を描き始めた。筆を代えたり、時には直接指で墨をはじくようにしながら、緩急をつけて線を重ねていった。女性の髪を描いた後、太い筆でふすま2枚にまたがる竜の胴体を描き、小さな筆で仕上げの筆入れを行った。

 会場には約60人が詰めかけ、どんな絵が仕上がるのか固唾(かたず)をのんで見守った。わずか約15分で墨絵が仕上がると、大きな拍手が沸き起こった。

 作品はふすま展の期間中、1階和室で展示する。同展は11月11日まで。入館料は300円、高校生以下は無料。火曜休館。

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