福井の社会「夫にだって犠牲」【ゆるパブ】

 「福井の共働き」をテーマにしたトーク会、ゆるパブオフ会では、福井新聞で掲載された「福井の社会『嫁の犠牲の下に成立』」という記事が話題に上った。その記事とは、福井新聞社の企画で募集した「不幸せ」に、共働き率日本一を支える福井の女性たちから重い負担について不満の声が多く挙げられたことを紹介したものだった。ただ疑問なのは、「男性は何の犠牲も払ってこなかったのか」。この問いを慶応大学特任准教授の若新雄純さん(若狭町出身)が投げかけると、トークは再び熱を帯び始めた。

⇒【前回】福井の共働き女性はエプロンしない説

 若新さんの推論は「偏見かもしれないけど、男性が犠牲にしてきたものはお金に関する裁量ではないか」。要するに家の財布は女性が握っているということ。実際はどうなのか、参加者に聞いてみた。

 「給料は全部、奥さんに渡して管理してもらっていた。自分は小遣い制だった」(福井市、40代男性)
 「結婚したときに夫からキャッシュカードを渡された。だんなはお金を自由におろすことができない。福井の嫁さんは忙しいから、財布を握っているからといって遊びに行く余裕はないが」(福井市、50代女性)
 「共働きの両親は別財布だった。ただ、自由にお金を使えたのはお母さん。保険とかローンとか、お金の使い方に詳しいのはお母さん」(県内、20代女性)。

 こんなケースもある。「基本、男性の収入が生活費に充てられていて、女性の収入は足りなかったときの補填に使われる。結局、女性の方がお小遣いを自由に使える」(若新さんの知り合いの男性)。家庭によって差はあるが、女性が家計を管理している方が多数派のようだ。共働きならば夫婦各自でお金を管理すればよさそうな話だが、鯖江市内の30代女性は「福井の家庭が目指すのは土地を買ったり、家を建てたり高額な出費が伴う。だから管理役が必要になる」と推察した。

 若新さんは、消費に対する男性の自由度が低い傾向にあるとし、「戦後の日本の消費社会って、女性が買い物に行く前提でお店ができている。男性目線で買い物できるところって少なくて、パチンコに行くしかない。ショッピングセンター行っても、ファッションタウンに行っても基本的に女性ものがメイン。男性は年に数回しか自分のお金で買いに行くチャンスないから、日常的にお金を使うことができない」と世の男性に肩入れした。

 鯖江市の40代男性は「男って外で稼いでも嫁さんに渡す。それで小遣いをもらう。まるで会社から給料をもらっているように。最終的に家庭の社長は奥さん。男は外で『社畜』のように働いて、家でも『社畜』のように扱われるのは本当にかわいそうに思える」と自嘲気味に話すと、「だから家では亭主関白ぐらいに、立ててあげたほうがいい」(鯖江市、30代女性)という声も上がった。

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【ゆるパブコラム】福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

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