福井経編興業が開発した生地が使われているラグビー日本代表の「桜のジャージー」=福井県福井市西開発3丁目の同社

 9月20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で日本代表が着用する「桜のジャージー」に、ニット生地製造の福井経編興業(本社福井県福井市西開発3丁目、高木義秀社長)の生地が使われている。従来より軽く耐久性を向上させたほか、糸や編み方を工夫することで生地が伸びすぎないようにしてあり、相手選手にジャージーをつかまれた場合に振りほどきやすくなっている。同社は「作り手の思いがこもったジャージーで優勝を目指してほしい」とエールを送っている。

 日本代表の公式ジャージーを手掛けるラグビーブランド・カンタベリーオブニュージーランドジャパン(東京)から1年半ほど前に依頼を受け、生地を共同開発した。

 カンタベリー社の親会社のゴールドウイン(同)によると、これまで日本代表のジャージーは全て伸縮性がよい丸編みの生地が使われていた。今回は、選手の能力を最大限に引き出すため、フォワード(FW)とバックスで異なる生地を使用。スクラムを組んだり、相手選手とぶつかり合ったりすることの多いフォワード用は、耐久性と軽量性の両方を備えた経編みの生地が良いと判断した。バックス用には丸編みの生地が使われている。

 フォワード用の生地は部分ごとに各メーカーが担い、7~8割が福井経編興業製。ポリエステル製で「高強力糸(こうきょうりょくし)」という強度の高い糸が使われている。通常、経編みの生地は伸びやすいが、高強力糸を使って編み方を工夫することで伸縮性を抑制。相手選手につかまれた際に振りほどきやすくなった。また、スクラムを組む際にジャージーが伸びすぎると体がぶれて力が分散されてしまうが、この点も解消した。肌に接する部分は素早く汗を吸収して乾く構造になっており、べたつきも感じにくい。

 「強度を高くすると本来は重くなる。強くて軽い生地にするのは難しく、編み方を試行錯誤して何度も作り直した」と高木社長。ゴールドウインによると、今回のフォワード用は、前回W杯の日本代表ジャージーに比べて耐久性が9%向上し、12%の軽量化を実現したという。

 高木社長は「生地の提供を通して日本代表を応援したいという思いで開発に取り組んだ。手間を掛けた分、良い物を生み出すことができた」と話している。

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