今年100歳を迎える時計修理職人の石田要一さん=9月3日、福井市

 今年100歳を迎える福井県福井市の石田要一さん(99)は、現役の時計修理職人。全国から寄せられる依頼に「直せないとは言えない」と毎日、修理台の前に座る。96歳で砲丸投げを始め、マスターズ男子95~99歳の日本記録も持つ。9月3日、東村新一福井市長に健康長寿を祝福され「生きられるだけ生きたい」と若々しい笑顔を見せた。

 石田さんは15歳で福井市内の時計店で働き始めた。戦時中は修理の技術を買われ、21歳から飛行機の整備士として東南アジアなどの戦地に帯同した。

 1947年に復員し、翌48年から市内で時計の修理業を営むようになった。百貨店や県庁の地下に修理台を置き、客の買い物や仕事の間に時計を修理した。65年ごろ、市内に「石田時計店」を構えた。

 仕事の合間にゲートボールやグラウンドゴルフ、スティックリングを楽しむ生活を送っていた。9年前に妻の志づのさんが他界してからは、食事の準備や掃除、洗濯も一人でこなすようになった。朝5時に起き、7時半に修理台の前に座り、午後7時半に店を閉めて8時に寝る。「規則正しい生活をして、好き嫌いせずに何でも食べる」ことが健康の秘訣と語る。

 砲丸投げは、県民スポーツ祭の記録が載った新聞を読んで「勝てる」と96歳で挑戦を決意。2016年の大会で5メートル39を出して日本新を出すと、翌17年には5メートル58に更新した。

 今年、石田さんを取り上げるテレビ番組が相次いで放送されたことで、熟練の技術が評判になり、全国から時計修理の依頼が舞い込むようになった。「時計を持って来られるとやめられんし、『これは直らんわ』とは言えん」と話す。修理のための部品がない場合は、ストックの部品から似ているものを改造して使う。

 今年12月に100歳を迎える。来年10月に福井市で開かれる全日本マスターズ陸上福井大会に出場するつもりだ。「100歳の日本記録を出したいね」と笑う。

 3日、本年度100歳の市民を祝う市の事業で店を訪れた東村市長は「80歳くらいに見える」と驚き、「これからも元気で長生きしてください」と声を掛けた。

 石田さんは「120歳まで生きねのと言ってくれる人もいるし、体はどこも悪くない。死を恐れず、生きられるだけ生きたい」と話していた。

 市によると、本年度100歳の市民は9月1日時点で96人(男性20人、女性76人)。市職員が訪問し、祝い金1万円を渡す。18年度は83人、17年度は72人だった。

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