会見で大学院改革の狙いなどについて話す上田孝典学長(左)ら=9月2日、福井県福井市の福井大学文京キャンパス

 福井大学は9月2日、グローバル社会で活躍する人材を育成する社会人向けの専門職大学院「国際地域マネジメント研究科」を2020年春に新設すると発表した。海外研修や講義を通じ、企業などで働きながら国際的な課題に立ち向かう力を養う。

 福井県大学私学課によると、県内での専門職大学院設置は、福井大学が08年度に設けた教職大学院に続き2例目。

 福井大学は16年度に国際地域学部を設けており、企業などの組織で国際的な視点を持った人材を育成しようと同分野の専門職大学院を設置する。原則2年制で、語学をはじめ、地域や海外の情勢と課題を知る科目や、マネジメント能力、企画力、交渉力など「リーダー」に必要な資質を養うための科目をそろえている。

 海外研修は、より実践的に学んでもらうため、東南アジアなどで1年夏に約1週間、2年後期に1カ月~半年間実施。2年時の研修先は期間や目的によって3コースあり、国際協力機構の海外事務所やユネスコ本部の多国籍チームを予定している。

 講義は平日夜(週2日程度)のほか、休日や長期休暇に集中的に実施。定員は7人で企業や自治体からの推薦を想定している。修了時に学位「国際地域マネジメント修士(専門職)」が与えられる。専任教員は総合商社や外資系企業、外交官などの実務経験がある6人を含めた計17人。

 文部科学省の諮問機関による審査結果が8月30日に発表され、新設が認可された。上田孝典学長らが出席し2日に開いた会見で、木村亮・福井大学国際地域学部長は「グローバル化に伴い、地方の企業や自治体が抱える課題は海外進出や市場の拡大、インバウンド対応など多岐にわたる。これらを担う人材を地域で育てる必要がある」と説明した。

 文科省の担当者は「地元の中小企業を念頭に、国際的視野を持った社会人の養成を行う点で他にはない分野」とし、全国への拡大を期待した。

 このほか20年春に、大学院教育学研究科を教職大学院に一本化し、より実践型の教員養成に転換する。大学院工学研究科の博士前期課程は、これまでの10専攻から「産業創成工学」「安全社会基盤工学」「知識社会基礎工学」の3専攻とし、各専攻で専門性を維持しつつ、分野横断で広い視野を持つ人材の育成を目指す。

 ■専門職大学院 科学技術の進展や社会、経済のグローバル化に伴い、社会的、国際的に活躍できる人材養成に特化した課程として文部科学省が2003年度に制度を創設。一般的に2~3年制で、一般の修士課程と異なり論文作成を必須としていない。文科省によると、今年5月時点で国公私立など118大学に167専攻あり、ビジネスや会計、法、教職、臨床心理といった分野がある。

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