ボランティア活動の電子コイン社会実験

 地域のボランティア活動を活発化させようと、福井県は社会実験として2019年度、市民団体が活動参加者にスマートフォンのアプリで電子コインを贈る仕組みをつくる。集めたコインは、各団体のグッズと引き替えたり、参加者同士が頼み事のお礼などに使ったりして、地域で流通させる。人口減で地域活動の維持が難しくなる中、ボランティアへの対価の設定による担い手拡大の可能性を探る。

 電子コインは、既存のアプリを活用し、QRコードの読み取りやオンライン通信で受け渡せる。県が一定の枚数を市民団体に提供するほか、エコバッグやリストバンドなど各団体の希望に応じた交換用グッズを用意する。活用を希望する市民団体5団体程度を9月6日まで募り、同下旬から本年度末まで社会実験を行う。

 公民館やNPO法人などの活用が見込まれ、清掃や催しのスタッフといった活動内容に応じた進呈数、グッズ交換の時期など活用のルールは各団体が定める。コインは、団体ごとに異なるが、同じ団体のボランティアに参加した人同士であれば、アプリを介して受け渡しが可能。子どもを一時預かってくれた近所の人や歴史講座の講師への謝礼といった使い方もできる。

 実験期間中は、県や専門のアドバイザーが各団体に活用に関して助言、年度末の全体会議で結果を総括する。来年度以降は、各団体がコインを直接提供する体制への移行を想定している。将来的には、各地の団体がコインを相互利用し、協力企業・店舗でも物品やサービスに交換できる仕組みを探りたい考え。

 福井県は、過去1年にボランティアに従事したことがある住民の割合を示す「ボランティア行動者率」(2016年)が32・2%で全国9位。集落の清掃奉仕など地域単位の活動機会が多いとされる。一方で、高齢化による役員の担い手不足で自治会が解散するケースも出始めた。

 県県民活躍課は「有償の要素を取り入れることで、ボランティア活動の継続性を高めたい。団体側も一方的に善意をもらう申し訳なさから続かなくなるケースがある。活動への感謝を見える化して、やりがいを高めていきたい」と説明している。

 問い合わせは県県民活躍課=電話0776(20)0237。
 

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