【越山若水】日本に存在した最初のラグビーチームは1866年誕生の「横浜フットボールクラブ」である。ただし日本人の参加はない。発祥の地・英国の船員や兵士、商人らによるチームだった▼日本人チーム第1号は99年になってから。英国への留学生らが帰国後結成した慶応大のクラブで、2年後には横浜のクラブと対戦したと「ラグビーの世界史」(トニー・コリンズ著)にある。それから広がりは早く、1920年代には大学間の定期戦も行われている▼国内初めての代表同士のテストマッチは32年だった。カナダに対し日本は2戦2勝。特に2戦目は3万5千人の大観衆の前で38―5と圧勝した。テストといってもラグビーの場合は真剣勝負を指す。娯楽が限られた時代、今のオリンピック並みに盛り上がっただろう▼歴史家でもあるコリンズ氏は、日本で普及した理由は文化の類似と書く。「ラグビーが象徴するキリスト教的価値が武士道に合った」。チームへの誇り、献身など、先人が持ち込んだのは、この球技の根にある精神だった▼9月20日開幕のラグビーW杯日本代表がきょう発表される。前回同様外国出身選手が多く入る予定だ。過去に議論もあったが国籍ではなく所属協会主義のラグビーでは普通らしい。メンバーは日本代表を強く名誉と思う男たちと聞く。五輪、サッカーW杯と並ぶスポーツの祭典が待ち遠しい。

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