「女性ならではの活躍の仕方もある」と語るトラガールの堀田紗央里さん=福井県福井市の濃飛西濃運輸福井支店

 身長156センチと小柄ながら、10トントラックを乗りこなす「トラガール」。カンガルー便を運行するセイノーグループの濃飛西濃運輸福井支店(福井県福井市)で唯一の女性ドライバーとして、交通事故ゼロと丁寧な顧客対応を心掛ける、セールスドライバー堀田紗央里さん(30)。社内では「安全インストラクター」に認定され、同僚の運転指導にも尽力している。

 子どもの頃からトラックドライバーの父の姿を見て「いつか大型トラックに乗ってみたい」との思いがあった。しかし、男性中心の業界への就職にはためらいがあり、最初に選んだ職業はショッピングセンターのアパレル店員だった。

 転機になったのは大型運転免許の取得。「趣味として免許を持っておこう」と、店員を勤めながら自動車学校に通い始めた。教習を受けるうちに「やっぱり職業として大型トラックに乗りたい」と熱が高まり、2014年に思い切って転職した。現在は福井市や坂井市の企業を回り、配達や集荷を行っている。

 これまでスポーツの経験はなく「特に1年目は体力的にきつかった」。それでも、同僚が重い荷物を持ってくれるなど周囲のサポートを受けたり、取引先では珍しい女性ドライバーとして歓迎されたりして「仕事はしやすかった」と振り返る。

 2、3年目以降は重たい荷物も持てるようになり、顧客にも「しっかりしてきたね」と言われるようになった。自身も「筋肉が付いてたくましくなったかな」と照れ笑いを見せる。17年には、全日本トラック協会主催で全国の中堅ドライバーが集うコンテストに出場。道路交通法や車両構造に関する知識、車両点検、運転技術について競い、女性部門で4位に入賞した。

 今春からは、安全インストラクターとして新人からベテランまでの運転指導を任される立場になった。大型トラックは死角が多く、安全確認は特に気を付けるよう強調する。最大の目標は、自身も含めて「事故ゼロ」だ。

 業界では女性ドライバーも増えてきたというが、やはり女性が就業しにくいイメージは拭い切れていないと感じている。そのため県トラック協会の広報活動にも協力し、業界のイメージアップや女性ドライバーの活躍促進に努めている。

 「体力的に男性と同じ仕事をするのは難しいかもしれないけど、丁寧な顧客対応や、荷物をそろえて置くような細かい気づかいなど、女性ならではの活躍もできる」。接客経験も生かした明るく元気な対応で、顧客に信頼されるドライバーでありたいと思っている。

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