ひもを取り付け、手動で電動ロックを解除できるようにした電動シャッター=福井県福井市の清川メッキ工業

 4人が死亡した豊島繊維(福井県永平寺町)の工場火災時に停電で作動しなかった電動シャッターについて、関係法令に非常時の安全対策義務を明記した条文はなく、法の“盲点”となっていることが厚生労働省福井労働局への取材で分かった。同局は、福井県内企業の多くで非常時の対策が取られていない可能性があるとして、避難経路の確認や手動ドアの併設などの対策を取るよう指導し8月21日、製造業などに自主点検表を送付した。

 電動シャッターは、外気遮断などの目的で工場の資材搬入口や従業員通用口に設置され、ボタン式やセンサー式がある。豊島繊維では、全焼した二つの工場棟を結ぶ三つの通路にいずれもセンサー式のビニール製シートシャッターがあった。火災後、同社は「シャッターの一部は閉じたままの状態だった。故障はしていなかったが、おそらく停電で動かなかった」との認識を示している。

 「労働安全衛生法など関係法令に、電動シャッターの停電時などの安全対策義務を明記した条文はない。法の盲点だった」。福井労働局の地方産業安全専門官は打ち明ける。「平常時は、問題なくシャッターを通れるため企業側も見逃しがち。豊島繊維の火災を受け、今後は『壁』として対策を取らないといけない」と続けた。

 同局は、豊島繊維火災など県内での死亡労働災害の急増を受け7、8月を「労災防止緊急対策強化期間」と定め、業界団体に対し事故防止に向けた安全対策の徹底を要請。電動シャッター関連の対策も強く求めている。

関連記事