伝統漁法であるシジミ漁を体験する子どもたち=8月24日、福井県美浜町の久々子湖畔

 三方五湖地域が日本農業遺産に認定されたことを記念し、久々子湖の伝統漁法であるシジミ漁の体験学習が8月24日、福井県美浜町総合運動公園近くの久々子湖畔で開かれた。町内の親子連れらが、古くから受け継がれてきた漁法を体験し、湖の豊かな自然環境を保全する大切さを学んだ。

 三方五湖地域は2月、農林水産省が将来に受け継がれるべき伝統的な農法や農村文化として認定する「日本農業遺産」に県内で初めて選ばれた。塩分濃度や水深など五湖それぞれの特徴に対応した伝統漁法が継承されている点や、水産資源保護の観点から漁獲量の制限などを行ってきた歴史が評価された。

 体験学習は、日本農業遺産認定を機に、子どもたちにも伝統漁法に親しんでもらおうと、三方五湖世界農業遺産推進協議会が開いた。美浜町内の小学生や保護者ら約30人が参加した。シジミ漁を継承している南西郷漁協の武田豊組合長(71)らが指導に当たった。

 子どもたちは、熊手の先に籠を付けたような漁具「鋤簾(じょれん)」で湖底をかいてシジミをすくい、湖面に浮かべたザル「トウシ」に放り込んでいった。トウシは幅11ミリの目が施されており、食べ頃でない小さなシジミは湖底に落ちる仕組みとなっている。武田組合長らは「採りすぎて生態系を崩さないようにするための仕組み」と子どもたちに伝えていた。子どもたちは肩まで水浸しになりながら夢中で湖底をすくっては、ザルに入れていった。

 前日に採り塩抜きしておいたシジミ汁も味わった。参加した児童は「シジミを集めるのは楽しかった。逃がした小さいシジミも無事大きくなってほしい」と話していた。

 武田組合長は「組合員の高齢化や湖岸の環境の変化により、漁獲量は最盛期より大幅に減っているのが現状。次の世代に継承するためにも、子どもたちにシジミ漁を知ってもらえて良かった」と話していた。

 関係者によると、この日採られたシジミは湖に戻された。

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