副業制度を使っている女性社員=福井県福井市栂野町のオールコネクト

 通信インフラサービスを取り扱うオールコネクト(本社福井県福井市栂野町、岩井宏太社長)は、働き方改革の一環として一定のルールの下で副業を認める「For Lifeワーク制度」をスタートさせた。社員がスキルアップやワークライフバランスの実現を目指す制度で、美術のワークショップやプログラミング教室の指導といった活動で、既に4人が利用している。

 同社ではこれまで、業務時間外での金銭報酬が発生する個人の活動は禁止してきた。人事担当者は、終身雇用の崩壊や平均寿命の伸び、人工知能(AI)による働き方の変動などを挙げ「社員にも影響が不可避な変化がある。スキルアップや人脈の構築を、雇用側が妨げるべきではないと考えた」と話す。

 同制度は6月にスタートした。すべて事前に申請し承認を得る仕組み。業務時間内の活動、他企業と雇用契約を結ぶことなどは禁止しており、自社の機密やノウハウの流出防止を図っている。

 「入社して10年。会社以外での経験が少なくて、何かやりたいことを見つけたかった」と話す同社の執行役員第二事業本部長の中川加菜さん(32)は、同制度を利用しカラーセラピストのビジネスを始めた。

 さまざまな色のオイルを使って相手の気持ちを問い掛け、アドバイスする。相談者には「自分の気持ちを言葉にできてすっきりした」「親元を離れて暮らす決心ができた」などと感謝された。中川さんは「コンサルティングなどに活用される技術で、社内でも役立つと思う」と手応えを感じている。

 デザイン本部のイラストレーター清水美穂子さん(37)は、福井市のショッピングセンターで親子向けに美術のワークショップを開くため申請した。これまで展覧会を開くなどの作家活動をしていたが、報酬を得ることはなかった。「実業団所属のアスリートみたいに、社員が芸術家としても活躍できればメリットは大きい」と期待を寄せる。

 ほかにも、レジャー施設の壁画制作や、小学校などでのプログラミングクラブ指導で、社員が制度を利用している。担当者は「予想以上の利用者数。ダイバーシティー(多様性)をさらに浸透させていきたい」と話している。

 同社では昨年から働き方改革として在宅ワーク制度や、短時間正社員採用などを導入してきた。今後は育児中の男性スタッフ向けのプロジェクトも立ち上げる予定だ。

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