【ゆるパブ】自治会変革、多すぎる仕事が障壁?

 福井について、公募で集まった人たちがさまざまな角度から語り合うトークイベント「ゆるパブコラム・オフ会」。今回のテーマは「福井の自治会(町内会)、子ども会、消防団」。近年は参加率の低下が全国的に問題になっているが、どうすれば住民にとって魅力的な活動ができるのかが、イベント終盤では主題となった。

 ■自治会って何?

 自治会とは何か? 参加者の一人は江戸時代前からあった「五人組」に根源があると持論を展開した。五人組は連帯責任、相互監察、相互扶助を目的とし、統治の末端組織として運用された。自治会自体は戦時中に組織され始めたが、ポツダム政令で結成が禁止された。しかし、1952年に政令が失効され、再組織化されるようになった。

 鯖江市の参加者男性の地域では昔、「ひほり」という行事があったという。住民が集落内の用水路の清掃を行うもので、「地域の環境美化とは異なる、生活に欠かせないものだった」と語った。生活に必要な水のめぐりをよくするという、集落を守るための活動なので、不参加だと「出不足(でぶそく)」というペナルティーがあったという。それを聞いたほかの鯖江市内の女性は「私の地域も自治会活動に不参加だと罰金です」と明かした。

 「お互い助け合うという名目で作られたが、戦時中の監視システムという機能も残っている」。慶応大学特任准教授の若新雄純さんは相互監察としての機能に目を付けた。「小さな集落だと、車を買い替えたことすら、みんなにすぐ伝わってしまう」と地元の集落のことを例に挙げて指摘した。

 都市圏から移住者にとって福井の自治会活動はどう映るのか。横浜市出身の鯖江市の女性は「横浜ではマンション暮らしだったのでよくわからないが、福井の自治会は婦人会なども含め、結束力が強い」と驚きの様子。東京出身で越前町に住む男性は「今住んでいる越前町の集落では、七五三や米寿などのお祝いを地元の神社で集落合同で行っているのですが、はじめはびっくりしたけど、その場でいろんな人と顔見知りになれるので、いい文化だと思った」と好印象を口にした。

 ⇒区費5万円超も、福井の自治会事情

 ■自治会どうよくする

 自治会役員などを経験した参加者からは、自治会のメリットより苦労話の方が多く聞かれたが、どうすれば自治会活動をよくすることができるのか。参加者みんなで考えた。

 自治会長経験がある福井市の男性は、自治会長の任期について指摘した。自治会長の任期は区によってさまざまだが、男性の住む地域では1年間。「活動に慣れたころには交代の時期。2年目から自分の色が出せると思うが、現行では変革できない」と強調した。

 若狭町の男性は行政から自治会に降りてくる仕事が多い点が変革の障壁だと主張。「集落の祭りや清掃などの行事を次々とこなし、さらに行政からの仕事もあると、あらためて自治会活動について考えることができない。ある程度の余裕があれば、じっくり在り方を話し合える」と訴えた。

区民体育大会、区の間の「戦力差」

 一連の話を聞いていた鯖江市の男子高校生に自治会の印象を尋ねると、「何をしているところか、よく分からない」との答え。高校生は「地元のことは好き」と話しているから、決して無関心からそう答えたのではない。高校生にも活動が理解され、意見を吸い上げることができるような組織であってほしい。それも自治会の在り方にとって大切だと思った。

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