敦賀気比―仙台育英 8回表2死、代打で出場し懸命に一塁へ走る敦賀気比の上間洸太主将=8月17日、甲子園

 全国高校野球選手権で背番号13を着け、控えとしてベンチ入りした敦賀気比(福井)の上間洸太主将。試合に出たいという気持ちは人一倍強かった。退部も考えるほど悩み抜いた時期もあったが、大会を通して主将としての仕事を全うした。その陰には、仲間たちの励ましがあった。

 昨秋はスタメン入りしていた上間だが、春の福井県大会で結果を残せずメンバーから外れた。主将でありながらプレーできない日々。次第に調子が悪くなっていった。

 新チーム以降、練習に対する姿勢、普段の生活態度も主将らしいものになるよう気を配ってきたが、控えになってからは自分のことで精いっぱいになった。チームに目がいかなくなり、監督にも指摘された。「キャプテンって何だろう」。ずっと考え続け苦悩し、いつしか「なんて言って辞めようか」と考えるようになった。

 沈んでいた上間を奮い立たせたのは、仲間たちの「お前しかキャプテンはおらんから」という言葉。救われた。なかなかついてきてくれなかったメンバーも声をかけてくれるようになった。控えでも「主将の仕事を全うしよう」という決意が固まった。

 3回戦の仙台育英(宮城)戦の八回、代打として打席に立った。「何とか流れを」と意気込んだが三ゴロに倒れた。試合が終わった瞬間、悔しさとともに辛かった思い出がよみがえり、肩の荷が下りた安堵感もあった。「最後はキャプテンらしくみんなを引っ張れてよかった」

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 第101回全国高校野球選手権大会3回戦で敦賀気比は仙台育英に3―4で敗れ、5年ぶりの8強入りはならなかった。

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