クラウドファンディングやオンラインサロンで多くの支持を集める西野亮廣さん

 クラウドファンディング(CF)で寄付金を募り、まちおこしや商品開発、イベント開催などに活用する動きが福井県内でも広がっている。7月20日にトークイベントで来県した芸人で絵本作家の西野亮廣(あきひろ)さんは、CFで2億5千万円以上を調達し、絵本制作や個展開催などのプロジェクトを展開している。自身の有料会員制コミュニティー「オンラインサロン」は国内最大の会員約2万7千人と、絶大な支持を受ける。CFやオンラインサロンに対する考え方や展望を聞いた。

 ―西野さんにとってCFとは。

 「CFはインターネット上で自分の企画を発表し、その企画に賛同してくださった方から支援を募る仕組みです。大事なのは、同じような企画でも100万円集まる人と、1円も集まらない人がいること。有名なタレントさんがやっても全然集まらない場合もあります。お金とは信用を数値化したもの。CFとはお金を集める装置ではなくて、個人の信用を換金する装置です。『信用持ち』は現代の錬金術師とも言えますね」

 ―福井県にも、地域に特化したCFサービス「ミラカナ」があります。

 「福井の企画をやる場合、ミラカナが他の同様のサービスよりも人や支援が集まるなどのメリットがあるかが大事です。発展していくためには、その疑問を持つ人に対する明確な答えを持っておかないといけませんね」

 ―オンラインサロンとは。

 「イメージとして一番近いのがファンクラブです。会費月額千円の僕のサロン『西野亮廣エンタメ研究所』には、同じ趣味や志を持ちながら、あらゆる職業の人が集まっています。今はサロンメンバー(会員)と一緒に、僕の出身地の兵庫県川西市に絵本『えんとつ町のプペル』の美術館を造っています。僕は一般の学生や主婦らと一緒に、エンターテインメントで世界を取ることを目指しています」

 ―CFやオンラインサロンの将来像をどう考えますか。

 「これまでは世間的に知られている人の声が大きかったですが、今後はファンを持っている人が強くなると思います。自分のファンをいかにつくるかという点で、大事なのは物語です。僕のオンラインサロンでも、うまくいこうが失敗しようが、挑戦している時に会員が増えます。漫画やドラマと一緒で、1回上がって、ピンチや失敗があって下がって、底から再起する。このN字形を自分の人生でもやらないといけません。完璧な事業計画書を作っても、あまりファンは生まれません。あえて負けやピンチをつくることも大切なんです」

 【にしの・あきひろ】1980年兵庫県生まれ。99年に梶原雄太さんとお笑いコンビ「キングコング」を結成。テレビを中心に活躍後、絵本制作や国内外での個展、小説・ビジネス本執筆など、さまざまなビジネスや表現活動を展開。著書に絵本「えんとつ町のプペル」、ビジネス書「革命のファンファーレ」「新世界」などがあり、いずれもベストセラーになっている。

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