福井の暮らしで感じる「不幸せ」の募集に、切実な訴えが寄せられている

 多様性を認め合える社会づくりを求める指摘も出た。「学力・体力日本一」を誇る福井県の学校教育に、鯖江市の30代女性は「子どもたちが軍隊のように全員同じことを強いられている」と否定的な目を向けた。LGBT(性的少数者)の一人という40代の福井県出身者は「保守的な土地柄で理解がなさすぎる」と古里を去った事情を明かした。

 「(都市部で)当たり前に手に入れられる情報や文化が入ってこない」「買いたい服の店がない」「民放が2局だけ」と、都市部に比べた福井の不便さを挙げる声もあった。

 ▽コインの表裏

 越前市の女性は、投書で自らが引きこもりだと打ち明けた。「仕事ができない」「お金を稼げない」との不幸せの代わりに、「誰にも邪魔されず読書ができる」「母の家事手伝いができる」という幸せが感じられると書かれていた。

 「不幸せ」の要因に親世代との同居など家族関係が多く挙げられたが、「幸せ」を募ったアンケートでも「家族・友人」に属する回答が最も多かった。先の引きこもりの女性は、こうつづった。「幸せと不幸せはコインの表裏で全く同じものです」

 「幸せはやっかいだ」という坂井市の30代男性は「生きていると幸せのハードルはどんどん上がっていく」と指摘し、「幸せは求めたり望んだりするものではなく、ただそこにあるものだということではないでしょうか」と投げ掛けた。

 ■幸福と不幸、総合的に捉えて

 広井良典・京都大学こころの未来研究センター教授の話 幸福は多様であり個人が自由に考えればよいが、不幸はある程度客観的に規定できる。特に公共政策で対応すべきなのは「不幸を減らすこと」、あるいは「幸福の基礎条件を整えること」ではないかという議論がなされてきた。幸福と不幸を総合的に捉えることが重要で、行政やコミュニティー、個人などさまざまな主体の役割分担をどう考えるかも関連する。

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 福井の暮らしで感じる「不幸せ」を、福井県在住・出身者を対象に匿名で募っています。

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