杉本達治氏

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」がテロ予告や脅迫ともとれる抗議で中止となった問題について杉本達治知事は8月9日、「そういうことで中止になったのは不幸というか、あってはいけないことだ」と述べた。憲法21条を踏まえ「表現の自由がねじ曲げられたり、押しとどめられたりすることがないようにしなければならない」と語った。定例会見で質問に答えた。

 実行委員会の会長を務める大村秀章愛知県知事は「安全な運営が危ぶまれる」として中止を決めた。杉本知事は「いろいろな事情や思いがあると思うので、中止に至った経緯についてはコメントを差し控えたい」と話した。

 国際芸術祭は文化庁の補助事業。憲法21条が保障する表現の自由と、芸術を支える補助の在り方などを巡り、大村知事と河村たかし名古屋市長の主張が対立している。杉本知事は「公共が行う事業は、自己表現の発露としての表現の自由を守らなければならない。一方で(鑑賞などを通して)それを受ける人たちの思いが全くなくていいのかということがある。こうしたことは県内でも起きうるし、起きたことも過去にあった。行政として本当に難しい問題だ」と述べた。

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