北陸新幹線と九州新幹線の建設費増に対応するための財源

 資材価格高騰などにより北陸新幹線金沢(石川県)―敦賀(福井県)間と九州新幹線長崎ルート武雄温泉(佐賀県)―長崎(長崎県)間で上振れした建設費3451億円のうち、約690億円の負担割合が決まっていない。国は、JRが国側に支払う貸付料(新幹線施設使用料)と国費、地方負担で対処するとしているが、JRは上積みに否定的なため、今夏の来年度政府予算概算要求で国費増の方向性が示されるかが注目される。

 国土交通省は昨年末、3451億円のうち1729億円に貸付料を担保に前借りした資金を充当。東海道など既設新幹線の譲渡収入を活用した国費652億円を充て、さらに地方も財源スキームに沿って326億円を拠出することになった。

 残りは744億円。国は貸付料と国費、地方負担で対処するとする。貸付料は算定期間を30年から50年に延長することでその20年分を充てるもくろみだ。だが、JRは否定的な姿勢を崩さず、2019年度は国費と地方負担の55億円の計上にとどまった。このため約690億円の負担割合が決まっていない。

 JR西日本の来島達夫社長は2日に福井市内で開かれた県インバウンド推進連携協議会の設立総会後、記者団に対し「金沢―敦賀間は既存の枠組みで進めてほしい」とあらためて強調した。「744億円の全額を国と地方で負担することになるのでは」というのが多くの関係者の見方だ。

 ただ、23年春の敦賀開業まで19年度と同額の55億円を4年分合算したとしても220億円にしかならず、約520億円が不足する。確実な見通しをつけるため、県幹部は「今夏の概算要求で国費の上積みを盛り込むか、金額を示さない『事項要求』で年末の予算編成に向けて与党整備新幹線建設プロジェクトチーム(PT)で具体額を議論してほしい」と切望する。

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 「国費を上積みしても足りない分は補正予算で対応するのでは」とみる県選出国会議員もいる。与党PTの岸田文雄座長が「補正予算の可能性も探る」としているからだ。ベテラン県議は「いずれにしても、敦賀までの財源を早く確定させ、敦賀以西の財源議論に傾注してもらいたい」と早急な対応を求めている。

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