模擬原爆で亡くなった犠牲者を悼む遺族や関係者ら=8月8日、福井県敦賀市松島町の永建寺

 長崎原爆の前日に、福井県敦賀市の東洋紡績敦賀工場(現東洋紡敦賀事業所)に投下された爆弾「模擬原爆」で亡くなった犠牲者を弔う戦災物故者法要が8月8日、敦賀市松島町の永建寺で営まれた。

 爆弾は1945年8月8日午前9時ごろ、米軍のB29爆撃機が投下した。長崎型原爆と形状や重さが同じで、訓練のために爆撃したとされ、敦賀工場では学徒動員の敦賀高等女学校生徒や従業員ら33人が犠牲となった。

 敦賀事業所で追悼を行ってきたが、85年からは同寺に位牌が寄託され、毎年、法要が営まれている。吉川徹事業所長や遺族ら15人が参列。位牌などが置かれた祭壇に向かい、一人一人が手を合わせて焼香した。

 敦賀市の男性(90)は1枚の写真を持って参列した。兄が出兵を前に、動員学徒の当時16歳の恋人に別れのあいさつをした直後、爆撃を受け、兄は九死に一生を得たものの恋人が亡くなったという。「若い恋人がお気の毒で、ようやく写真を探し出した。永建寺で弔ってもらうことができてよかった」と手を合わせた。

 吉川所長は「今後も命の大切さ、戦争の悲惨さを伝え続けていかなければならない」と話していた。

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