【論説】南部九州で繰り広げられている全国高校総合体育大会(インターハイ)で、福井県勢が好成績を挙げている。

 特筆されるのはホッケー男子やバスケットボール男子、体操女子など、福井国体から順位を上げた競技が目立つこと。国体の遺産を生かし、さらに強化が進んでいる様子がうかがえ、頼もしい。

 5年ぶりの優勝を飾ったのはホッケーの男子丹生。福井国体で3位だった。これまで準決勝の壁が立ちはだかってきたが、国体選手を多く残す中、地道な努力を重ね大会で一戦一戦成長し、大輪を咲かせた。

 自転車男子チームスプリントは科学技術が初優勝。メンバーの3人は福井国体でも活躍しており、実力通り堂々の成果を出した。

 バスケットボールでは男子北陸が、実に13年ぶりとなる決勝進出を果たした。福井国体では8強を逃す悔しさを味わっている。かつて全国で上位を席巻していた男子北陸は、長らく不調が続いていたが、これで復活ののろしを上げたといえそうだ。

 体操は、福井国体で団体7位だった女子鯖江が銅メダルに飛躍した。チームの4人中、福井国体に出場した選手を3人擁し、国体以降に体幹強化という“秘策”を続けてきたのが功を奏したという。たゆまぬ努力が実った好例だ。全国上位常連のテニス女子の仁愛女も3位と気を吐いた。

 個人競技でもトピックスが相次いだ。陸上女子走り高跳びで蓑輪夢未選手(北陸)が、自身が持つ県記録に並ぶ高さを跳び優勝。重量挙げでは102キロ級の廣瀬憲人選手(坂井)が、トータルで同競技県勢初となる栄冠を手にした。ともに低迷に悩んだ時期を脱しての偉業で、不屈の精神には頭が下がる。

 来月には茨城国体が始まるが、天皇杯上位維持が大きなテーマとなる。6月に開かれた県スポーツ協会の国体入賞対策会議で「国体開催県がその後、2、3年内に順位を落とすと再び順位を上げるのは難しい」との指摘があった。

 天皇杯上位の持続は、国体の遺産を引き継ぐこととともに県内スポーツ界の大命題といえる。それには、高校生ら若い力の今後が大きな意味を持つのではないか。

 インターハイでの県勢の活躍を見ると、茨城国体が楽しみになる。福井の名誉を双肩に背負い頂点を目指すのは大変な厳しさがあるだろうが、国体を契機としたスポーツ振興の機運を持続させるためにも、活躍に期待したい。

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