ビジネス用ユニフォームのネット販売で顧客利便性の高いサービスを提供し、2年前に東証マザーズへの上場を果たしたユニフォームネクスト。上場後も歩みを止めることなく、経営理念の刷新や組織改革など積極的な取り組みを行い、会社の価値を高め続けている。

(聞き手/吉田真士・福井新聞社代表取締役社長)

 

顧客の利便性を徹底して追求。 

吉田 マザーズ上場に、新社屋の完成。成長著しいですね。

横井 弊社はもとはユニフォームの販売代理店。ネット販売では後発でしたがここまで成長できた要因は、徹底した「顧客目線」です。販売サイトでは商品説明を詳細にし、お客さまからの問い合わせには電話で対応しています。
 
吉田 メール対応のほうがコストを抑えられそうですが。

横井 電話対応のほうが安心感を持っていただけますし、商品への疑問に対し、より丁寧に答えることができます。また当社の強みは、ユニフォームの販売に特化したシステムを設計した点。例えば、同じユニフォームの追加購入は簡単にできる仕様になっている。たくさんの品目を扱うECサイトと違い、力を一点に集中したおかげで成長が早かった。今もサイトの受注システムを新しく開発中で、それは効率化を進めることによって、その分顧客へのサポートにさらに力を入れるためです。

吉田 新社屋にもこだわりがあるようです。

横井 1階に物流拠点を設けました。物流倉庫が離れた場所にあると、営業の人間が商品を目にする機会が乏しくなる。売り物を常に見て手にすることで商品知識が深まり、顧客へよりよい提案ができるようになると考えています。

吉田 ネット販売の一方で、顧客を訪問する従来の営業も継続しています。

横井 弊社は、長年続けてきた直接営業により顧客第一の姿勢を培いました。お客さまと直接お話をさせていただくからこそ、ユニフォームに何を求めているのか、そのトレンドを把握できる。ネットの業績が伸びた今もそこを忘れず、さらに拡大も考えています。

 

経営理念を刷新。「役に立つ」とは? 

吉田 上場をきっかけとして、会社に大きな変化はありますか。

横井 実は今、経営理念を刷新しようとしています。これまで上場に向け、社員が一丸となって頑張ってくれた。その目標が達成された今、当社がこれからどこに向かっていくのか、その道筋を彼らに示さなくてはと感じたのです。

吉田 これまでとの違いは?

横井 「お客さまの役に立つ」ことを重視してきましたが、この「役に立つ」という部分を深掘りしようと考えました。お客さまである企業は、ユニフォームを買うことによって最終的に「業績を伸ばす」ことにつなげたい。そしてその先に、社員のさらなる幸せを経営者は望んでいるはず。顧客が求めるユニフォームを提案し販売することで、われわれは業績アップと同時にワークライフの質の向上に貢献する。そこを経営理念として打ち出します。

吉田 ただ販売すればよいのではない、ということですね。

横井 例えば、よく新社屋建設と同時に制服を新調したいとの相談を受けますが、時期をずらしたほうがよいと答えています。どちらも企業イメージを一新し社員の意識を変えるよい機会なので、2回に分けてはどうですかと。


吉田 目先の売り上げが欲しい企業には、できない提案ですね。

横井 そもそもユニフォームは価格競争に陥りやすい商材です。顧客にとって付加価値の高い提案ができなければ、生き残れません。

 

新社屋のオフィスにはテントがあり、食堂にはボルダリング設備も。「こういった遊び心のある環境も、社員のモチベーションにつながると考えています」。

 

「ボトムアップ」で企業価値向上へ。 

吉田 上場後もまったく一息つかず、動き続けている印象ですね。

横井 上場はあくまでスタートだったと捉えています。「ここまで来れば大丈夫」と立ち止まっていては、会社の価値は高まりません。次のフェーズに向かうために組織改革にも取り組んでいます。

吉田 意思決定のプロセスを大きく変えるとか。

横井 これまでのやり方はいわゆる「トップダウン」で、私が社員を引っ張り「あれをやろう、これをやろう」と、スピード感をもって取り組んできました。しかし昨年10月からは、現場の社員たち自身で問題解決のアプローチやチームの方針を決めていく「ボトムアップ」スタイルを取り入れました。一人で出せるアイデアには限界があるし、指示を出してやらせているだけでは社員は育ちません。意思決定を委ねることで、社員たちの意識が変わり、個々の能力アップに繋がると考えます。

吉田 変革にあたって迷いは無かったのですか?

横井 非常に迷いました。トップダウンのほうが決断も動きも速いし、現場に任せることで、立ち止まったり回り道をしてしまうのではと。しかし、社員たち自身で決めた目標を達成していく方が、やりがいを感じ良い結果を生むはず。文化祭やサークル活動のように、大変だけど充実感や喜びを感じられることが最も大切です。社員たちが生き生きと働ける満足度の高い組織づくりを行うことは、顧客企業におけるワークライフの質の向上を目指す当社のあるべき姿だと思っています。

 

 

 

 

ユニフォームネクスト 株式会社

本社/福井市八重巻町25-81
TEL.0776-43-1034
URL/https://uniformnext.co.jp/
創業/平成6年4月
事業内容/ユニフォームの販売(インターネットを中心に全国の企業、店舗、個人様への業務用ユニフォームを販売)

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