「鳴弦ノ儀」で「おーっ」という掛け声とともに地面に向かって弦を引く岩佐由則さん=8月1日、福井県おおい町名田庄納田終の土御門殿天社宮

 陰陽道の伝統行事「名越祓い・八朔祈祷祭」が8月1日、福井県おおい町名田庄納田終の土御門殿天社宮(つちみかどでんてんしゃぐう)で厳かに営まれた。約50人の参列者が見守る中、弓の弦を鳴らしたり、布を裂いたりして魔を払い、五穀豊穣を祈った。

【D刊】「八つ裂行儀」など写真いっぱい

 同宮に隣接し、陰陽道を受け継ぐ天社土御門神道本庁が、行事を取り仕切った。藤田義仁庁長(86)ら神職は、ほら貝を吹く修験者を先頭に境内に入場。白虎、朱雀、青龍、玄武と書かれた白、赤、青、黒の鳥居に囲まれた約5メートル四方の石組みの舞台「天壇」で神事を行った。

 神職2人が布を持ち、「えいっ」と何度も手で裂く「八つ裂行儀」、参列者が片手に持った縄を口だけで器用にほどく「解け縄行儀」などで魔や汚れを払った。続いて土御門史跡保存会の岩佐由則さん(68)=同町=が「破魔弓鳴弦ノ儀」に臨んだ。「おーっ」という掛け声とともに空と地面に向かって弦を引き、「びぃん」と音を響かせ、天と地の悪を鎮めた。茅の輪くぐりも行われた。

 藤田庁長は「令和初の行事だが、『令』は陰陽道にとってなじみ深い漢字。これからもずっと行事を続けていきたい」とあいさつした。

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