「女性活躍」、共働き推進に違和感

 ゆるパブコラム、今回は東京からの移住起業者の山岸が担当させていただきます。私は事業の一つで、子育て中のママさんたちが柔軟に働きやすいオフィス運営をしており、その中で見えてきたことや自分の私生活から感じる「共働き」について書いていきます。

 まず初めに、最近よく聞く「女性活躍」という言葉がありますが、個人的には好きではありません。自分は男性ながらも感じるのは「まるで女性が今まで活躍していないみたいで失礼な話だな」ということです。もちろん、この言葉を生み出した人は「女性はすでに活躍しているけど、今ある社会的な制約を取り除いてより活躍しやすい環境をみんなでつくっていこう!」という意図で言い始めたのかもしれません。ただ、結果的に女性活躍という4文字が字面のみ普及してしまって、少なくない人たちが「女性はもっと活躍できる余力があるでしょ!」という認識になっているように感じます。

 そしていずれにせよ、そもそも女性に一層の活躍を求めるべきなのでしょうか。ここで私が思い返すのは自分自身の育った家庭環境。小学2年生までは、会社で働く父と専業主婦の母、そして私と妹という家庭生活でした。その頃の母に一層の活躍の余地があったのかと考えると…いや絶対になかったと思います。ご飯を作ったり洗濯・掃除をしたり、その上に喧嘩も非常に多かった私たち兄妹の面倒を見ていたわけですから。そして我が家の場合はそこから父が亡くなりシングルマザー家庭となります。もうこうなると想像を絶する大変さだったのだろうと思います。一体いつ気が休まるのか。祖父母と同居していたわけでも近所にいたわけでもないのでなおさら。そしてこのようなシングルマザー家庭は現在増え続けているわけです。そのような女性たちの奮闘を、これ以上ない十分な活躍と呼ばずになんと呼ぶのでしょうか。むしろそう考えると、やはり「女性活躍」という言葉は何か違う気がします。

 さらに、この「女性活躍」という言葉の流行の裏側に、人手不足と長い不況による所得の減少から夫婦が共に就業すること(通称「共働き」)を推進する流れがあると思います。そもそもこの「共働き」家庭を増やすことが目指すべき方向なのでしょうか。というかそもそも、企業に就業していない専業主婦も家事・育児などにおいて十分働いており、それも十分「共働き」ではないでしょうか。当初の私の母や、福井の、全国の専業主婦のみなさんは、働いていないのでしょうか。パートタイムから帰宅した主婦が家事をしている時間は、働いている時間ではないのでしょうか。ちなみに私は家事という仕事が非常に苦手です。それをもし奥さんがやってくれるとしたら、それは自分にはできないすごい「働き」だと感じます。そのように考えると、現在の「共働き」という言葉の使われ方自体に違和感を覚えます。

 総務省の「就業構造基本調査」(平成29年度)によると福井県の共働き世帯の割合は全国1位だそうです。このことを誇る論調を見かけることがありますが、それは違うのではと思います。それを誇るべきものとしてしまったら、家事や育児に専念して真剣に向き合っている人たちを否定することになってしまいます。

 今回私が伝えたかったことは、別に専業主婦礼賛でもなく、共働きや女性の社会的活躍自体の否定でもありません。それぞれが男女関係なく「わたしらしいあり方」を選択しやすい社会であってほしいということです。そしてその「らしさ」は人によって違うからこそ、色々なあり方を認め、評価してあげられる雰囲気が大切です。私が運営している子育てママ向けオフィスも「あり方の選択肢」を増やすためのものです。

最近聞こえてくる「共働き」「女性活躍」という言葉の意図については、今一度しっかり向き合ってみる必要があるのかもしれません。8/17のゆるパブコラム・オフ会のテーマは「福井の共働き」。ぜひお越しいただき、みなさんにとっての共働きについて聞かせてください。

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 一般公募の参加者と一般社団法人「ゆるパブリック(ゆるパブ)」のメンバーがゆるくおしゃべりを楽しむ「ゆるパブ・オフ会」は2019年8月17日(10~12時)、LIFULL MP 鯖江オフィス(福井県鯖江市日の出町7-42、鯖江高校正門前)で開かれます。今回のテーマは「福井の共働き」。事前申込みは不要で、参加無料です。みなさんも共働きについての意見や体験談を話しませんか。

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