台湾上映用の映画「サクラサク」のポスター

 福井県が舞台の映画「サクラサク」が8月に台湾の映画館で一斉上映される。日本公開から5年たっての海外ロードショーは極めてまれという。田中光敏監督は「家族の絆は普遍的なテーマ。注目してくれて光栄だ。福井の美しい自然や人情に関心が向けられ、訪れる人が増えればなおうれしい」、原作の歌手さだまさしさんは「いい映画にしてもらい、改めてありがたく思う。映画にとっての再スタートと考え、日本の人たちにさらに見てもらうきっかけになってほしい」と喜びと期待を語る。田中監督や出演した女優の南果歩さんらが駆け付け舞台あいさつする。

⇒緒形直人さんや藤竜也さん、出演陣が喜びのコメント(D刊)

 「サクラサク」は関係が冷え切った家族が、東京から認知症を発症した祖父の古里福井へ旅に出る姿を追った。緒形直人さんや南さん、藤竜也さんらが家族を演じ2014年に公開された。美浜町や県、福井新聞社をはじめ関係市町、企業などが出資・協賛して製作。同町や福井市、勝山市などでロケが行われ多くの県民が支えた。17年には第1回アジア国際映画祭で最優秀監督賞、最優秀女優賞(南さん)、最優秀映画音楽賞(主題歌「残春」も歌ったさださん)の3賞を受賞した。

 台湾上映は、美浜町と30年以上姉妹都市関係にあり、インバウンドの取り組みなどでも交流を続けてきた新北市石門区の協力で実現。昨年に字幕を作成、台北映画協会と手を結び準備を進めてきた。「櫻花開了」のタイトルで、8月9日から約15日間、台湾各地の12の映画館で上映される。6、7日には台北市の主要映画館などでプレミアム上映会があり、田中監督や南さんが舞台あいさつし会見する。美浜町の戸嶋秀樹町長や山口治太郎前町長らも同席する。

 認知症の祖父を好演した藤さんは「笑ったり、泣いたり、怒ったり…人間の全ての感情がぶつかり合う小宇宙、それが家族。それでも家族ほど愛しく、大切な宝物はない。映画が台湾の皆さんに愛されることを心から祈っている」とコメント。

 さださんは「お年寄りとの向き合い方や家族の絆など大事なものを、台湾でも分かち合いたい。これを機に福井の素晴らしさが広まり、日本の人も映画にさらに親しんでくれたら。(同町に一時期住み、物語にも投影された)父=故人=もきっと喜んでいると思う」と話している。

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