足羽川ダム計画

 国土交通省が福井県池田町に建設する足羽川ダムについて、近畿地方整備局の同ダム工事事務所は7月29日、2026年度完成予定の1期工事の事業費が当初計画の960億円から340億円増額し、1300億円になるとの見通しを明らかにした。工事単価や人件費増、消費税増税などが理由。

 29日に福井市内で開かれた同ダム事業費等管理委員会で報告された。8月1日に同整備局の事業評価監視委員会で費用対効果などが審議され、事業の継続が妥当かどうか判断される。

 同事務所によると、1期工事の事業費は06年度の物価や人件費を基に算出していた。来夏に本体工事に着手するため、地質調査などを踏まえて今年2月に作った足羽川ダムの詳細設計を基に見直した。

 その結果、▽物価や人件費の増額など社会的要因で187億円増▽事業進捗に伴い判明した、洪水調節機能や安全性を確保するための追加対策費で180億円増▽洪水時にダム本体へ水を流す導水トンネルの経口縮小化などのコスト縮減策で27億円減―となり、340億円増額となる。

 事業費の負担割合は国が3分の2、県が3分の1。見直し案が同整備局の事業評価監視委員会で認められれば、国交省は今夏の概算要求に必要経費を計上する方針。同事務所は「26年度の完成が遅れないための対策も含め、事業工程に影響が出ないよう進めていく。可能な限りコスト縮減を図り、事業費の抑制に努めたい」としている。

 2期工事に関しては、国の「河川整備方針」で490億円かかるとされているが、同事務所は「まだ事業化されていないので、次の段階での話になる」と説明している。

 福井県河川課は「ダムは福井市中心部の洪水を守る重要な事業で、26年度までに完成することが第一。コスト増はやむを得ない部分はあるが、国はコスト縮減の管理をしっかりやってほしい」としている。

 ■足羽川ダム 足羽川、日野川、九頭竜川下流域の洪水被害軽減を目的に、国が足羽川支川の部子川(福井県池田町)に建設する治水ダム。高さ96メートル、幅351メートルで普段はゲートを開け、非常時のみ貯水する「穴あきダム」。1期工事で水海川とダムをつなぐ導水路も整備する。貯水量は2870万トン。福井豪雨で破堤した足羽川堤防地点の水位を90センチ下げられるという。他流域の3河川(足羽川上流、割谷川、赤谷川)からダムに導水路を設ける2期工事の計画は事業が確定していない。

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