北陸新幹線の早期全線開業の必要性を語る福井県の杉本達治知事(右)=7月29日、富山県富山市内のホテル

 北陸3県知事と北陸経済連合会の懇談会が7月29日、富山県富山市内のホテルで開かれた。初参加の福井県の杉本達治知事は、北陸新幹線の全線開業を見据え「小浜と京都が19分でつながるなど、社会の構造が劇的に変わる」と強調。石川、富山両県知事も同様の考えを示し、早期整備で北陸3県全体の活性化につなげたいとした。

 「北陸新幹線の整備促進と広域観光の推進」をテーマとした議論で、富山県の石井隆一知事は敦賀―新大阪間の財源確保策として、JRの新幹線施設使用料(貸付料)の支払い期間延長のほか、「国土強靱(きょうじん)化の観点で、国費が増やせるよう頑張りたい」と語った。石川県の谷本正憲知事は「全線開業すると石川や福井は関西の通勤圏になる。移住促進に向け、北陸の住みやすさをPRしていくことが大切だ」と述べた。

 「北陸地域の地域力向上と産業振興」をテーマとした意見交換ではまず、杉本知事が北陸新幹線全線開業や人工知能(AI)の普及などを目指すとした北経連の「北陸近未来ビジョン」実現に向けて努力する姿勢を示した。その上で今年4月、敦賀港に本州と九州を結ぶ日本海側唯一の定期便となる敦賀―博多間航路が就航したことを紹介。博多航路が週6便あるほか、北海道航路も週14便あることを踏まえ「貨物の取扱量がどんどん増えている」と説明した。

 さらに「国土強靱化やリダンダンシー(多重化)の観点で、産業界の人たちも日本海側の港を活用した物流を考えている」と指摘。「金沢港は中国や韓国航路、伏木富山港はロシア航路がそれぞれ充実している」とし、北陸3県が連携して港の利用拡大に取り組もうと呼び掛けた。

 これに対し、石井知事は福井新聞の取材に「できるだけ連携強化を図っていきたい」と前向きな姿勢を示した。谷本知事も「連携できるところは連携したい」と話した。さらに物流面だけでなく「クルーズ客船も重要。そうした面での可能性もあるのではないか」と観光誘客面での連携もできるとの見方を示した。

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