プール開放中止を知らずに訪れ、入れないプールを見つめる親子=7月29日、福井県福井市木田小学校

 福井県の福井市立小学校50校は夏休みのプール開放期間に入っているが、市が熱中症防止へ新たに設けた基準により、梅雨明け後の平日は開放中止が続いている。今後も厳しい暑さが続く予報で、梅雨明け前や雨の日はプールを利用できて、晴れ上がった「プール日和」に入れない皮肉な状況となっている。

 晴れ間が広がった7月29日午後1時前、汗で髪の毛を濡らし、水着姿で木田小のプールを訪れた男子児童(1年)は、開放中止を知ると「プールしたいのに!」と、いじけたように下を向いた。仕事が休みで引率した父親(38)も「僕が子どものころは、このくらいの暑さだったら入れたのに…」と戸惑いの表情を浮かべた。

 木田小のプールは24日まで漏水対策工事が行われ、25、26日は暑さで中止に。管理人によると、25日は約30人が中止と知らずに訪れた。27、28日の土日曜は開放したが、天候が悪かったこともあり利用者はゼロ。29日も中止となり、夏休みになってから誰もプールに入っていない。

 管理人は「中止の日にUターンしていく姿はかわいそう。引率する保護者たちは忙しい中、仕事を休んで連れてくることもあるのだから、市はもう少し配慮できないものか」と肩を落とす。

 ■ ■ ■

 市が本年度から設けた基準は、午前11時時点で▽予想最高気温が35度以上▽環境省が発表する熱中症予防の指標「暑さ指数」の予測値が「危険」-のいずれかに当たる場合にプール開放を中止する。正午までに市のホームページで告知する。

 20日の開放初日から北陸地方の梅雨明けが発表された24日までは、どちらの指標も該当せず予定通り開放したが、梅雨が明け好天となった25、26日は暑さ指数が「危険」となり中止。週明けの29日も「危険」だった。

 本年度、市はプールの監視員を雇っておらず、児童は保護者らによる引率がなければプールを利用できない。児童だけでプールに来られるよう、有志で監視員役を担っている足羽地区子ども会育成会の橋詰直起会長(47)は、相次ぐ開放中止に「子どもたちのために準備してきたのに、子どもをプールに入れることができず心苦しい」と無念さをにじませる。市が設けた基準には「我々は熱中症防止にも目を配っている。市が一律で決めるよりもそれぞれで開放を決めさせてほしい」と話す。

 30、31日の福井市の暑さ指数の予測は29日午後7時現在、ともに「危険」となっており、このまま推移すれば中止となる。相次ぐ中止に市スポーツ課は「市が開放している以上、安全のための基準は必要で、なくすのは難しい」としている。

関連記事