【論説】小浜市国分(こくぶ)の児童たちでつくる国分文化財愛護少年団が今年50周年を迎えた。歴代の団員たちは地元にある国分寺の歴史を学び、文化財を清掃し、大切に守り続けてきた。少子化で現在の団員はわずか4人。増員の見通しはなく逆境は続くが、区民の結束を維持し愛護精神を次代へ受け継いでいってほしい。

 国分寺は奈良時代、聖武天皇の命令で、諸国約60カ所に建立された。小浜市の国分寺もその一つ。同文化財愛護少年団は1969年5月1日、県内第1号として発足。文化庁「文化の里づくり事業」で同市が文化財愛護活動推進地域に指定されたのがきっかけで、団員20人でスタートした。

 以来変わらず年に3回、国分寺の釈迦堂や木造釈迦如来坐像(ざぞう)などを清掃している。また市内外の文化施設に赴き知識を深め、約10年前からは小浜市の姉妹都市、奈良市を訪れて東大寺の伝統神事「お水取り」を見学している。

 活動の中で「楽しい」と寺本栞那さん、平田悠可さん(ともに小浜美郷小6年)が口をそろえるのは、市指定文化財で高さ約3メートルの木造釈迦如来坐像に上がっての、ほこり払い。ふだん手を合わせ拝んでいる坐像の膝上に乗る特別な体験は団員ならでは。上級生だけに認められているという。

 地道な活動は高く評価され、93年に優良児童愛護団体として知事表彰、2000年には文化財保護功労者として文部大臣表彰を受けている。

 ただ、近年は団員減少に直面している。平成時代、ピーク時に約30人いた団員は現在6年生2人、1年生2人。昨年、一昨年は計2人にまで落ち込んだ。

 それでも活動は途切れなかった。「団員の保護者も区民の多くも団員OB、OG。理解があって、いつも一緒に参加して手伝ってくれる」と同少年団世話役の小林俊一さんは話す。区民が一丸となって少年団を支えている。

 団員減の打開策は見当たらない。時折、小浜市にもう一つある発足48周年を迎える竜前文化財愛護少年団(団員7人)と一緒に活動し、計11人で交流しながら刺激し合う。将来、小学生がいなくなれば、中学生に協力を求めることも選択肢の一つになりそうだ。

 団員たちは国分区を含む遠敷地区が当時の若狭の中心だったことに誇りを持つ。「団員が5人以下になったけど、みんなで仏さまの掃除を頑張っていきたい」と歴史を受け継ぐ団員としての心意気は頼もしい。次の節目の60周年も笑顔で迎えたい。

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